「大名」は2人用のワーカープレイスメントです。プレイヤーは江戸時代の大名となり、自国を豊かにして最終的に老中になることを目指します。ワーカーが5種類あり、自分の方針に合わせながらバッグビルドで取捨選択していきます。
大名について
将軍・名誉点ボード、技術・領地ボード、遠方ボード、天領ボードの4枚を並べ、タイルなどの準備を行います。
各プレイヤーは個人ボードと待機所(バッグ)、領民(ミープル)を受け取ります。
ゲームは全8ラウンドです。
各ラウンドは8つのフェイズで構成されます。
ラウンドの流れ
- 地方更新フェイズ
- 収入フェイズ
- 召集フェイズ
- 活動フェイズ
- 俸禄フェイズ
- 補充フェイズ
- 帰宅フェイズ
- 進行フェイズ
1.地方更新フェイズ
利用可能な地方が4枚とも残っている場合、左端を除外します。その後、4枚になるように補充します。
4枚未満の場合は左詰にして、4枚になるように補充します。
技術・領地ボード下部にある領地タイルの補充も行います。
2.収入フェイズ
- 工芸品
- 領地
- 技術
上記3つの要素から収入を得ます。
3.召集フェイズ
待機所(バッグ)から領民(ミープル)を召集人数分だけ引きます。待機所が空になったら家にいる領民をすべて待機所に入れます。(リシャッフル)
4.活動フェイズ
スタートプレイヤーから交互に手番を行います。手番でできる行動は3種類です。
- 土地の利用……領民を配置してアクションを実行
- 将軍への献上……同種の工芸品2個を献上して将軍コマを2マス引き寄せる
- パス
土地の利用はいわゆるワーカープレイスメントです。
領民を配置してアクションを実行しますが、複数個置く必要があるマスやコストが必要なマス、指定色の領民しか置けないマスがあります。
置ける場所が複数個ありますが、あくまでそのアクションができるのは1回です。そのため、一般的なワーカープレイスメント同様に相手が選んだアクションは選べません。
指定色の領民を置くとサブアクションが発生する場合もあります。
5.俸禄フェイズ
召集人数に応じて俸禄を支払います。
ラウンド1~2は人数×1金、それ以降は人数×2金です。支払えない場合は1金につきマイナス4点です。
6.補充フェイズ
このラウンドで使われなかった利用可能な地方に1金ずつ乗せます。
7.帰宅フェイズ
領民を個人ボードの家のスペースに戻します。
8.進行フェイズ
奇数ラウンドでは工芸品を獲得します。
偶数ラウンドでは将軍の代替わりが行われます。将軍コマが自分のほうに来ているプレイヤーは1マスにつき4点得ます。その後、将軍好みの工芸品を得ます。最後に将軍コマを中央に戻します。
ラウンドマーカーを1つ進めます。
ゲームの終了
ラウンド8の進行フェイズが終わるとゲーム終了です。
終了時の得点計算はなく、この段階で得点が多いプレイヤーの勝利です。
骨太ワーカープレイスメント
さまざまな部分でインタラクションが感じられる中・重量級のワーカープレイスメントです。ほとんどの情報が公開されているため、運要素はあまりありません。
今回は2人で遊び、ルール説明からプレイ終了まで3時間弱でした。
ボードにあるアクションは同じですが、利用可能な地方のアクションは毎回違います。
技術は4種類がそれぞれレベル3まであり、組み合わせはゲーム開始時にランダムに決まります。レベル3は条件を満たすことで高得点が得られるようになっているため、どこに何のタイルが来るかで進め方が変わってきます。
序盤からできることが多いため、どこから進めるかがとても悩ましいです。
領民の種類を増やすのか。
バッグから引ける数を増やすのか。
永続効果をもたらす技術を進めるのか。
収入の基盤を整えるのか。
いらない領民を圧縮していくのか。
などなど序盤から考えることが盛りだくさんです。
地方タイルは共通のアクションスペースなのですが、自分の領地にすることができます。相手の領地も使えますが、相手に1金支払わなければなりません。また領地化すると自分がアクションしたときに強力な効果をもたらす領地タイルがもらえます。
要素は多いですが、最初からほとんどの情報は明らかになっているためゲームの途中で「えー、そんな強いのあるの?」となることもありません。お互いに情報を共有している中で最善手を選んでいくことになります。
またコンポーネントにもこだわりが感じられ、カードは一切入っていません。地方タイル、領地タイル、技術タイル、ボーナスタイルとすべてが厚めのタイルになっています。ボードもしっかり厚みがあるボードです。
実際に遊んでみると、細部に至るまで練りに練ったのだなということが感じられます。組み合わせによって展開も変わるため、リプレイ性も高いです。
2人でじっくり遊ぶ機会がある人におすすめのゲームです。