ボードゲームの中にはドラフトすることで、カードを選択するものがあります。そのため、ある程度の経験者だと普段から普通に使いますが、実はボードゲームやカードゲームで採用されているドラフトにはいくつか種類があります。
ブースター・ドラフト
トレーディングカードゲーム(TCG)における遊び方の1つです。マジック・ザ・ギャザリング(MTG)を遊んだことがある人だと知っている人が多いかもしれません。
未開封のブースターパックを持ち寄り、それを各々が1つずつ開けます。その中から1枚を選び、残りを隣に渡します。渡された中から1枚を選び、というのを繰り返して1枚ずつカードを選んでいきます。
多くの人がイメージするドラフトはこのやり方でしょう。
もちろんボードゲームでは未開封のブースターパックを使う訳ではないですが、1枚選んで隣に渡すというのは、このブースター・ドラフト(略称:ブードラ)に当てはまります。
例)世界の七不思議、ふたつの街の物語、グランドオーストリアホテル、フィールド・オブ・グリーン、あやつり人形、ペーパーテイルズ、十二季節の魔法使い、Improvement of the POLIS
ロチェスター・ドラフト
カードをすべて並べて、最初の1人がその中から1枚を選びます。以降、順番に1枚ずつ取ったら、今度は一番最後だった人から逆回りでカードを取っていきます。
たとえば、4人いた場合は①②③④④③②①といった順番でカードを取ることになります。
このような順番はカタン式と呼ぶことが多いです。(カタンの開拓者たちの初期配置のときにこういった順番で取るため)
実はこれもドラフトの一種でロチェスター・ドラフト(略称:ロチェ)と呼ばれます。
ボードゲームの中には、カードではなく、ダイスをロチェスター・ドラフトで選択するものもあります。
例)カタンの開拓者たち、グランドオーストリアホテル、パルサー2849
ドラフトの種類
ドラフトと聞くと「1枚取って残りを隣に渡す」というイメージが強いですが、すべてを公開して順番に取っていくのも実はドラフトに含まれます。
グランドオーストリアホテルはスタッフカードをブースター・ドラフトで取って、ゲーム中はダイスをロチェスター・ドラフトで取るので、ゲームの根幹がドラフトにあると言ってもいいかもしれません。
また、カードの種類が多いアグリコラなどは、どちらのドラフトでも遊ぶことができます。
ドラフトは「何を選ぶか」「何を渡さないか」を同時に考える必要があるため、それだけでジレンマが発生する優秀なシステムです。そのため、今でも多くのゲームで採用されており、ドラフトが好きという人も多いです。
これからもまだまだドラフトを採用した面白いゲームが登場しそうですね。