今回紹介するのはトランプを使ったトリックテイキング、ファイブ・ハンドレッドです。
3人用が基本ですが、2~6人で遊べるルールもあるようです。
今回は3人用のルールのみを紹介します。
ファイブ・ハンドレッドについて
使用するカード
各スートの2~6を取り除いた32枚+ジョーカーの33枚のカードを使います。
カードの強さは、
A K Q J 10 9 8 7
の順番です。
さらに切り札スートがあり、
ジョーカー(ベストバウワー) 切り札スートのJ(ライトバウワー) 切り札と同色のJ(レフトバウワー) A K Q 10 9 8 7
の順番で強いです。
たとえば、ハートが切り札スートならば♡Jがライトバウワー、♢Jがレフトバウワーになります。このとき、♢Jのスートはダイヤではなく、切り札スートとなるので注意してください。色違いのJは特に強さは変わりません。
ゲームの流れ
最初のディーラーを適当な方法で決めます。
以降は、時計回りにディーラーを交代していきます。
ディーラーは自分の左隣から3枚ずつカードを配り、さらに中央に3枚を裏向きにして置きます。その後、再び3枚ずつ配り、最後は4枚ずつ配ります。
各自に3枚 ⇒ 中央に3枚 ⇒ 各自に3枚 ⇒ 各自に4枚
3+3+4で、各自の手札は10枚になります。
テーブルの中央に置かれた3枚は「キティー」と呼ばれます。
ビッド
ディーラーの左隣から順番にビッドを行います。
ビッドしたくない場合は「パス」を宣言します。ファイブ・ハンドレッドではプレイヤー2人が続けてパスをするまでビッドが続くので、1度パスをしても再びビッドの機会があります。
ビッドの仕方は、何を切り札にして何トリック以上を取るかを宣言します。
誰かがビッドをしたら、以降のプレイヤーはそれより強いビッドをするか、パスしなければなりません。
ビッドの強さは勝ったときの得点によって決まります。
以下の表で、より数字が大きいものが強いビッドです。
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
スペード | 40 | 140 | 240 | 340 | 440 |
クラブ | 60 | 160 | 260 | 360 | 460 |
ダイヤ | 80 | 180 | 280 | 380 | 480 |
ハート | 100 | 200 | 300 | 400 | 500 |
ノートランプ | 120 | 220 | 320 | 420 | 520 |
ミゼール | 250 | ||||
オープンミゼール | 520 |
宣言できるトリック数は6以上です。
トリック数が1増えると、得点が100アップします。
ミゼールは1トリックも取らないことを目指します。1トリックでも取った時点で失敗です。さらにオープンミゼールは手札をすべて公開して、さらに1トリックも取らないことを目指します。
たとえば、「シックス・ハート」と宣言があったならば、それよりも強い「セブン・スペード」などと宣言します。言い方はそこまでこだわらず「ハート、6」「スペードの7で」などと言った方が分かりやすいかもしれません。
ノートランプは切り札なしで他と同様に「セブン・ノートランプ」というように宣言します。
もし誰もビッドせず、全員がパスをした場合は「ノートランプ」のゲームになります。
ビッドに勝ったプレイヤーをデクレアラーと呼びます。
他の2人はデクレアラーが目標を達成するのを協力して阻止します。
全員がパスの場合、デクレアラーはいません。
交換
デクレアラーはキティーの3枚を自分の手札に加え、さらに3枚を裏にして中央に戻します。戻す3枚は手札の中のどれでも構いません。
誰もビッドをせずにデクレアラーが決まらなかった場合、交換は行われません。
プレイ
一般的なトリックテイキングのルールに従ってゲームを行います。
マストフォローなので、リードされたスートを必ずフォローしなければなりません。フォローできない場合は何を出しても構いません。
リードはデクレアラーから行います。
デクレアラーがいない場合は、ディーラーの左隣からリードします。
ノートランプの場合でも、ジョーカーは切り札となります。
そのため、フォローしなければならないスートが手札にある場合、ジョーカーを出すことはできません。ジョーカーを出すことができるタイミングは、リードする場合か、フォローができない場合です。
得点
デクレアラーが宣言したトリック数以上を取ることができたならば、ビッド成功です。
先ほどの表に書かれた得点を獲得します。失敗した場合は、書かれた数字がそのままマイナスとなります。
基本的に宣言したトリック以上を獲得しても追加点はありませんが、全トリックを取ったときは最低でも250点を得ます。たとえば、「エイト・スペード」の場合、得点は240点ですが、全トリック取った場合は250点となります。
デクレアラー以外のプレイヤーは取ったトリック数×10点を獲得します。
デクレアラーがいないゲームも同様に、各自が取ったトリック数×10点を獲得します。
誰かが500点以上になった、または誰かがマイナス500点以上になった場合にゲームが終了します。もっとも得点の多いプレイヤーの勝利です。
ファイブ・ハンドレッドを遊んでみた感想
トリック数だけを数えればいいので、だいぶ遊びやすいです。(スカートやドッペルコップのようにカード得点の計算が必要ないので)
面白いのが獲得できる得点の幅の広さです。
500点が目標点数なのに、520点まであるため、十分に一発逆転の可能性があります。
また、デクレアラーにならずとも、トリック数だけで得点が稼げるのも面白いです。他のゲームだと、ビッドに勝たないことにはどうにもならないことが多いのですが、マイナスさえとらなければ、デクレアラーでなくても十分に勝敗に絡めます。
ちなみに今回のゲームでは14ディールを行い、
730 対 370 対 220
という結果でした。
自分は、ほとんどビッドしない守りのスタイルでプレイで370点でした。
中盤まで他2人がマイナスでかなり優位だったのですが、ビッド成功で一気に追いつかれて逆転されましたね。
いろいろな要素がありながらも、ルール自体は難しくなく、派手な点数の上下があるので、非常におすすめのゲームです。
機会があれば、またぜひ遊びたいです。