トリックテイキングゲームには、さまざまな種類があります。トランプを使ったものから、独自カードのまで種類豊富ですが、今回はその中でも特に個性的なゲームを10作品ご紹介します。
トリックテイキング好きな人だと目次を見るだけで、どんなゲームか想像がつくかもしれませんね。
※この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2018の1日目の記事として書かれました。
目次
01. リードスートが途中で変わるトリックテイキング
02. ワーカープレイスメント+トリックテイキング
03. カードを出さない選択肢があるトリックテイキング
04. 切り札がゲーム中に決まるトリックテイキング
05. 手札がないトリックテイキング
06. テキスト効果があるトリックテイキング
07. 砂時計が入っているトリックテイキング
08. 2対2対2で戦うトリックテイキング
09. 3対3で戦うトリックテイキング
10. 2対2だったり1対3だったりするトリックテイキング
リードスートが途中で変わるトリックテイキング
通常、トリックテイキングではリードスートがあり、それに従って、みんなが順番にカードを出していきます。しかし、トリックの途中でリードスートが変わってしまうゲームがあります。
PALAは色をテーマにしたトリックテイキングです。
スートがプライマリーカラー(赤、青、黄)とセカンダリーカラー(橙、紫、緑)に分かれており、プライマリーカラーをフォローできない場合、リードスートに色を混ぜて、スートを変えることができます。
たとえば、リードスートが赤で、自分が赤を持っていなかったとします。その場合、リードスートに黄色を重ねて橙に変えることができます。自分を含めた以降のプレイヤーは橙をフォローしなければなりません。
色を重ねられると数字も足されるため、いらないトリックを強引に押しつけられることになります。
また、点描画法と印象派という2つのルールが用意されているため、ベースは同じルールでありながら違ったプレイ感を楽しむこともできます。
ワーカープレイスメント+トリックテイキング
ワーカープレイスメントはボードゲームの中でも人気ジャンルの1つです。
アクションスペースにワーカーを配置していくことで効果を得て、それを元に建物を建てたり、得点に変換したりしていきます。
S-EVOLUTIONは、ワーカープレイスメントにトリックテイキングを加えた意欲作です。
獲得したトリックから資源を集め、そこからワーカーを配置して人口を増やしたり、建物を建てたりして、文明を発展させていきます。
このゲームのさらなる特徴は文明によって、トリックテイキング自体のルールも変わることです。
たとえば、「切り札」の概念のない文明は、切り札の効果を適用させることができません。そのため、プレイヤーによって同じカードを出していても勝敗が違ってきます。
かなりいろいろなことにチャレンジしている作品ですが、なかなか荒削りな仕上がりになっています。そのため、真剣に勝敗を決めるというよりかは雰囲気を楽しむパーティーゲームの印象が強いです。
カードを出さない選択肢があるトリックテイキング
トリックテイキングでは、手番になったらカードを出すのが当たり前です。
けれども、ティンダハンではカードを出さないという選択肢があります。
カードを出す代わりに「店員マーカーを置く」という選択肢があり、マーカーを使ってエリアマジョリティを行います。
トリックを取った方がいいのか、マジョリティを取った方がいいのかの選択が悩ましいゲームです。
ただし、残った手札はマイナス点になるため、マーカーを置いてばかりだと合計得点が伸びません。
何度か遊んでいますが、何が最善手なのか未だによく分からないゲームです。
切り札がゲーム中に決まるトリックテイキング
多くのトリックテイキングには、切り札スート(トランプスート)があります。
切り札スートは他のスートよりも強く、数字が低くても勝つことができます。切り札は固定だったり、ランダムだったり、ビッドで勝った人が選んだりと、さまざまな方法で決められます。
いずれの方法でも、切り札はトリックが始まる前に決まるのが普通です。
エッベス(ebbes)は、切り札がトリック中に決まります。特定のランクが出されることで、それぞれのスートの役割がトリック中に決められていくため、さっきまでは普通のスートだったのが、次のトリックでは切り札スートになったります。
どのスートがプラスになって、どのスートがマイナスになるかも、すべてトリック中に決まるため、前半の五里霧中な感じがとても独特です。
前半からどんどん役割が確定したり、最後の最後までもつれこんだりと、遊ぶメンバーによって展開が大きく変わるのも面白いです。
手札がないトリックテイキング
トリックテイキングでは、ルールに従って、手札からカードをプレイしていくのが基本です。
将校スカートは手札がなく、あらかじめお互いの半分のカードが公開されています。残り半分は表になっているカードの下にあるため、上のカードがプレイされることで初めて明らかになります。
お互いに情報が分かっている中で、交互にカードを出していく、非常に変わったプレイ感のゲームです。
双方の情報を共有しているため、トリックテイキングに慣れていない人へのアドバイスもしやすいです。
テキスト効果があるトリックテイキング
トリックテイキングゲームのカードには、一般的にスートとランク(数字)が書かれています。ゲームによってスートが色だったり、アイコンだったりとデザインに差はありますが、せいぜいこのくらいの情報しかありません。
The Fox in the Forest(森の中のキツネ)は2人用のトリックテイキングです。
カードにいくつかのテキスト効果があり、それにより切り札が変わったり、トリックに負けても次にリードができたり、ポイントを獲得したりします。
そのため、トリックテイキングの中ではめずらしい言語依存があるゲームです。
といっても、効果は数種類しかないため、リファレンスがあればわざわざ日本語化しなくても十分にプレイ可能です。
砂時計が入っているトリックテイキング
一般的なトリックテイキングはコンポーネントとして、カードだけが入っているものがほとんどです。
中には得点ボードやチップが入っているものがありますが、こちらは少数です。
さらには砂時計が入っているとなると、ロウボートくらいのものではないでしょうか。
ロウボートにはコンポーネントとして砂時計が入っています。この砂時計、何のために使うかというとカードの効果で、相手の手札を見ることができる時間を計るためだけに使います。
そのため、実際はほとんど使う機会がありません。
たとえ使ったとしても「もう分かったからいいよ」となるので、砂が最後まで落ちきるまで使うことは滅多にないです。
どうしてここにこだわったのか謎のゲームです。
2対2対2で戦うトリックテイキング
2対2のチーム戦で戦うトリックテイキングは少なからずありますが、2対2対2の6人専用となると、ぐっと数は少なくなります。
そんな中でオススメなのが獅子と狛犬です。
プラスゲームとマイナスゲームの2種類があり、どちらのゲームでいくかをパートナーとの相談なしに決めなくてはなりません。
そのため、パートナーがトリックを取るか、自分がトリックを取りにいくかをプレイ中に見極める必要があります。
マイナスゲームでは、大きく失点することがあるため、最後まで逆転要素があるトリックテイキングです。
3対3で戦うトリックテイキング
シュミアは5人と6人で大きくルールが変わるトリックテイキングです。
5人だと個人戦で、誰が味方なのかがゲーム中に分かる正体隠匿要素があります。
6人だと3対3の固定チームです。
3対3だけでも変わっていますが、元のシュミアのルール自体がかなり変わっています。手札が6枚しかなかったり、トリック前にカード交換のチャンスがあったり、プレイしただけでポイントが入るカードがあったりと、独自要素が多いです。
5人と6人で大きくプレイ感が変わるので、どちらも試して欲しいです。
2対2だったり1対3だったりするトリックテイキング
自分のパートナーが誰なのかトリック中に判明するゲームはいくつかあります。
有名なものではナポレオン、マイナーなものだとブリスコラ・ブジャルダなどがあります。
そんな中でもわたしがオススメするのがドッペルコップです。
いつもブログを読んでくれている方だと「またそれか(笑)」と思われそうですが、好きなゲームなので、ここでも推しておきます。
ゲームごとにカードの強さが変わったり、パートナーが毎回変わったり、ビッドがあったり、さまざまな特殊なルールがあったり、フルで遊ぶと4時間以上かかったりと、決してハードルは低くないですが、それを越えるだけの魅力に溢れたゲームです。
毎年何回か遊んでいて、その度に面白さを実感しています。