今回はドッペルコップのゲームの流れについてです。
ドッペルコップの流れ
ゲームの開始
最初のディーラーを適当な方法で決めます。
以降は時計回りに交代していきます。
カードの配り方は4枚ずつまとめて各自に渡していきます。
それぞれ手札は12枚です。
ビッド
ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りでビッドします。
普通のゲーム以外を選択したい場合は「保留します」
そうでなければ「パス」と言います。
この段階では、まだどのゲームを選ぶかは言わなくていいです。
「保留します」と言ったプレイヤーが2人以上いたならば、ディーラーの左隣のプレイヤーから順番にソロゲームを選択するかどうかを聞いていきます。ここで誰かがソロを選択したならば、そこでビッドは終了です。以降の人にソロをするかどうか尋ねる必要はありません。優先されるのはあくまでディーラーの左隣の人からで、ソロゲームの種類などは関係ありません。
もし、ソロを選択する人がいなければ、同じ要領でアルムートを選択するプレイヤーがいるかどうかを尋ねていきます。
それもいなければ、マリッジがいるかどうかを聞いていきます。
ソロ ⇒ アルムート ⇒ マリッジ
優先順位は上記の順番となります。
「保留します」と言ったプレイヤーがいなければ通常のゲームになります。
ゲームの開始
ディーラーの左隣のプレイヤーがリードを行います。
普通のゲームの場合、♣Qを持っているプレイヤー同士がチームとなりますが、ゲーム開始の段階では、誰と誰がチームなのか分かりません。どちらかが♣Qを出せば、もう片方には誰がパートナーなのかが分かります。また後述する宣言を行うことでも、誰と誰が攻撃側チームなのかが分かります。
トリックテイキングのやり方は、一般的なマストフォロールールです。
リードされたスートを持っていたならば、そのカードを出さなければなりません。
そのスートを持っていなければ、どのカードを出しても良いです。
切り札スートは、他のスートに勝ちます。もっとも強いカードを出したプレイヤーがそのトリックを獲得し、次のリードを行います。
同じカードが出た場合は、先に出した方が勝ちます。
これを12トリック繰り返します。
獲得したトリックの点数の合計が攻撃側チームならば121点以上、防御側チームならば120点以上取るとゲームに勝つことができます。
宣言
ドッペルコップでは、プレイ中に宣言をすることができます。
宣言は自分の番でなくてもすることが可能です。
・レー
攻撃側チームだけが行うことができます。
自分のチームが勝つと思ったときに宣言し、その通り勝った場合はもらえる得点が増えます。
レーは、自分が2トリック目のカードを出す前ならば、どのタイミングでも行うことができます。
もし相手チームがコントラを宣言したならば、その次のトリックでレーを宣言することができます。(3トリック目を出す前までに宣言可能になります)
・コントラ
防御側チームだけが行うことができます。
自分のチームが勝つと思ったときに宣言し、その通り勝った場合はもらえる得点が増えます。
コントラもレー同様、2トリック目を出す前ならば、どのタイミングでも行うことができます。もし、レーが宣言されならば、その次のトリックまでタイミングが延長されます。
コントラを宣言すると、防御側チームが勝つためには121点以上取らなければなりません。逆に攻撃側チームは120点以上取れば勝ちとなります。
・90
どちらのチームも行うことができます。
相手チームが90点以上取れないと思ったときに宣言します。
通常、3トリック目のカードを出す前までに宣言することができます。
・60
どちらのチームも行うことができます。
相手チームが60点以上取れないと思ったときに宣言します。
通常、4トリック目のカードを出す前までに宣言することができます。
・30
どちらのチームも行うことができます。
相手チームが30点以上取れないと思ったときに宣言します。
通常、5トリック目のカードを出す前までに宣言することができます。
・シュワルツ
どちらのチームも行うことができます。
相手チームが1トリックも取れないと思ったときに宣言します。
通常、6トリック目のカードを出す前までに宣言することができます。
宣言に関する注意
宣言はすればするほど勝ったときの得点が増えます。
ただし、その宣言前までの宣言をすべて行う必要があります。
たとえば、30の宣言をしたいならば、レー(またはコントラ)、90、60の宣言を行っていなければなりません。タイミングが許されるならば複数の宣言を1度に行うこともできます。(2トリック目を出す前に、コントラ、90と同時に宣言するなど)
相手チームの宣言があったらば、それよりも一巡遅いタイミングで宣言することができます。そのため、すべてのタイミングが一巡ずつ遅くなっていきます。
マリッジの場合は、チームが決まった段階で宣言することができるようになります。
そのため、2トリック目でチームが決まったならば、すべての宣言が1トリック分遅いタイミングで行えるようになります。同様に3トリック目でチームが決まれば、すべての宣言は2トリック分遅いタイミングで行うことができます。
得点
トリックがすべて終わったならば、チームごとに獲得したカードの点数を合計します。
カードの得点は、
A=11点 10=10点 K=4点 Q=3点 J=2点 9=0点
です。
何も宣言がされていなければ、攻撃側チームは121点以上、防御側チームは120点以上で勝利です。ただし、90、60、30、シュワルツなどの宣言をしていた場合、その宣言が達成されていなければ、いくら得点を取っていても敗北します。
どちらも宣言を失敗していたならば、引き分けです。
得られる得点は、カードの得点とは異なるので注意してください。
勝ったチームは以下の得点のうち、当てはまるものをすべて合計した点数を得ます。逆に負けたチームは勝ったチームが得た点数分のマイナスになります。
勝利点 | 勝ったチームに必ずつきます。 | 1点 |
防御側チーム勝利 | 防御側チームが勝ったときにつきます。 ただし、1対3の場合はつきません。 |
1点 |
90 | 相手チームの得点が90点より少なかった場合 | 1点 |
60 | 相手チームの得点が60点より少なかった場合 | 1点 |
30 | 相手チームの得点が30点より少なかった場合 | 1点 |
シュワルツ | 相手チームが1トリックも取れなかった場合 | 1点 |
コントラ | コントラの宣言があった場合 | 2点 |
レー | レーの宣言があった場合 | 2点 |
90宣言 | 90の宣言があった場合 | 1点 |
60宣言 | 60の宣言があった場合 | 1点 |
30宣言 | 30の宣言があった場合 | 1点 |
シュワルツ宣言 | シュワルツの宣言があった場合 | 1点 |
相手が90宣言をして、120点以上取った場合 | 1点 | |
相手が60宣言をして、90点以上取った場合 | 1点 | |
相手が30宣言をして、60点以上取った場合 | 1点 | |
相手がシュワルツ宣言をして、30点以上取った場合 | 1点 |
90、60、30、シュワルツは宣言をしなくても得点となりますが、宣言をして成功すればさらに得点がもらえます。
たとえば、自分たちがレーを宣言し、相手がコントラを宣言、さらに自分たちが121点以上取って、相手が70点だった場合、
勝利点(1点)+レー(2点)+コントラ(2点)+90(1点)で、6点を獲得します。
(相手側の宣言も自分たちの得点に含まれます)
ボーナス得点
上記の得点とは別に、特定の条件を満たすことでボーナス得点が入ります。
得点は個人にではなく、チームに入ります。
・フォックス 1点
相手チームが出した♢Aを獲得した場合に得られます。
味方チームや自分が出したものは得点になりません。
・チャーリー 1点
最後のトリックを♣Jで勝った場合に得られます。
逆に最後のトリックで♣Jを出して取られてしまった場合には、相手チームに得点が入ります。
味方チームや自分が出したものは得点になりません。
・ドッペルコップ 1点
1トリック内で出されたカードが、すべてAか10(A A A 10、A A 10 10など)だった場合、そのトリックを獲得したチームに入ります。
ソロゲームの場合
ソロゲームの場合、勝ったプレイヤーは上記の合計得点の3倍を得ます。負けた方は、合計得点分がマイナスとなります。
ソロゲームを行い、もし負けてしまったならば合計得点の3倍を失います。相手側は合計得点分を獲得します。
終了条件
ドッペルコップの終了条件は特に決まっていません。
あらかじめ何ディール行うかを決めておきましょう。
ドイツドッペルコップ連盟のトーナメントルールでは、24ディール行うようです。
ドッペルコップについて
4回に渡りドッペルコップの説明をしてきました。
この記事を通して読めば、ドッペルコップを遊べると思います。
かなりのルールの量ですが、トリックテイキング経験があれば、意外とすんなり分かります。
ただし、カードの強さに関しては慣れが必要ですね。それからフォックスも忘れがちです。
もっとプレイしやすいように、リファレンス、さらにはスコアシートなども作ろうかと考えています。
トランプが2組あれば遊べるゲームですので、4人が集まったときには、ぜひ遊んでみて下さい。チーム戦の妙、ソロの緊張感が存分に味わえますよ。
第1回 トリックテイキングの基本
第2回 ゲームの種類
第3回 カードの強さ
第4回 ゲームの流れ