2001年から2010年にかけて発売されたボードゲームで、まだ日本語版が発売されていない隠れた名作ともいえる作品を5つ、ピックアップしました。
2001年~2010年の隠れた名作
トロワ
トロワは2010年に発売された1~4人用のゲームです。2012年に拡張であるトロワの淑女たち、2020年にトロワダイスが出ていますが、日本語版が出ているのはトロワダイスのみです。
各自が3色のダイスを振り、それを使ってアクションをします。他のゲームとの大きな違いは、他の人が振ったダイスも使うことができる点です。すべてのダイスが使用可能なため、手番の選択肢が多くなっています。
全員が非公開の目標カードを持っているのですが、達成した人はカードの所持に関わらず得点がもらえます。この方式のゲームをプレイするとトロワを思い浮かべる人が多いと思います。
倉庫の街
倉庫の街は2010年に発売された2~5人用のゲームです。2012年に拡張の波止場の街が出ています。さらに2016年には、倉庫の街と拡張をまとめ、さらにテーマを変えたヴァイキングに変えたヨーヴィックが発売されました。ヨーヴィックは2017年に日本語版が出ています。
作者はシュテファン・フェルトです。フェルトというと、トラヤヌス、黄昏の篝火、アメリゴ、ボラボラなど、要素が多いゲームのイメージが強いですが、倉庫の街はだいぶシンプルです。
メインは競りで、欲しいカードの前に自分のコマを置きます。以降はその後ろにどんどんコマを並べていきます。全員がコマを置いたら、各カードに対して最後にコマを置いた人に購入券があります。ただし、金額はそこに置かれたコマの個数です。
パスした場合はコマを手元に戻すため、どんどん値段が安くなっていきます。そのため、高くても先に買うのか、他の人が買わないのを見越して先にコマを置いておくのかの駆け引きが楽しめます。
ヴァスコ・ダ・ガマ
ヴァスコダガマは2009年に発売されたゲームです。10年以上も前のワーカープレイスメントなのですが、他にはない独特なシステムを採用しています。
ゲームボード上には1~20までの番号マーカーが置かれています。アクションを行う際は、その番号マーカーを自分のディスクに乗せて配置します。
全員がディスクを置いたならば、タイルをめくり何番以降が無料になるかを決めます。番号順にアクションを実行していくのですが、番号によっては追加コストを支払わないとアクションができません。早くアクションを行おうとすると、追加コストの可能性が高まります。
配置したときにアクションを解決するのではなく、後で順番に解決していくタイプのワーカープレイスメントなのですが、どこまでが無料になるかに運要素がある、めずらしいゲームです。
ハギス
ハギスは2010年に発売された2~3人用のカードゲームです。
分かりやすく言うと大富豪系のゲームで、先に手札をなくした方の勝ちです。
カードは5スートで、それぞれ2~10までの数字があります。さらにジャック、クイーン、キングがあるのですが、こちらにはスートがなく、なおかつ全員が持っています。この3枚は手札ではなく、自分の前に置いておきます。
出し方は、同じ数字か、同じスートの連続した数字です。その上にボムという特殊役があります。ジャック、クイーン、キングでボムが作れるため、全員がボムを使える状態でゲームをするというのが大きな特徴です。
また、残った手札枚数が相手の得点になるため、勝てないと思ったら、手札を早く減らす方向に切り替える必要があります。
戦略性がだいぶ高く、2人で大富豪系のゲームをしたいときにオススメです。
ホームステッダーズ
ホームステッダーズは2009年に発売されたゲームで、2019年には拡張のNew Beginningsが出ています。基本セットだと2~4人用ですが、拡張を入れることで5人まで遊べるようになります。
競り、建物効果、リソースマネージメント、借金とボードゲーマーに好かれる要素がぎっしり詰まっています。
建物を建てる権利を競り、資源を支払って建物を建てます。借金は好きなタイミングでいくらでもできるため、場合によっては競りがかなり白熱します。
建物が増えると、さまざまな資源が手に入り、あとはそれを使って拡大再生産をしたり、得点化したりしていきます。
ゲームとしても、もちろん面白いのですが、家畜や食料、鉄鋼、木材、銅といった資源がすべて異なる形になっているため、見た目もいいです。