プレイヤーは支配人として、自分のホテルにさまざまなお客を招き、お金を稼いで、ホテルをどんどん大きくしていきます。その際に、さまざまな効果をもつスタッフをうまく活用し、お客の要望に応えながら、たくさんの人に泊まってもらうことを目指します。
グランドオーストリアホテルについて
ゲームは全7Rで、各手番2アクションなので、全部で14アクションしかありません。
ただし、スタッフの特殊効果などアクション数に含まれない特殊行動があるため、実際にやれることはいろいろとあります。
主な流れは、まずお客を呼び、部屋を用意し、お客に食べ物や飲み物を給仕して、部屋に泊まってもらうというものです。
アクションは毎回ダイスによって決まります。これはラ・グランハのようなシステム(参照:ラ・グランハ(La Granja)をプレイした感想)で、スタートプレイヤーがダイスを振り、各目をそれぞれのアクションに割り振っていきます。
すべてのダイスを6つのアクションに割り振ってから、今度は各プレイヤーが1アクションずつ行っていくのですが、この順番はいわゆるカタン方式です。3人プレイならば、A、B、C、C、B、Aという順番でアクションを行っていきます。
6種類のアクションは、
- シュトルーデルかケーキを取る
- ワインかコーヒーを取る
- 部屋タイルを取る
- お金を取るか、皇帝トラックを上げる
- スタッフカードをプレイする
- 1金を支払って、1~5のいずれかのアクションを行う
となっています。
ちなみに、シュトルーデルとはオーストリアのお菓子らしいです。
シュトゥルーデル(独: Strudel)は、詰め物を幾層にも巻く甘い菓子であり、クリームを添えて供されることが多い。18世紀にハプスブルク君主国中で知られるようになり人気を得た。
シュトゥルーデルはオーストリア料理と最も結びついているが、以前のオーストリア=ハンガリー帝国に属するこの地域全体の伝統的な菓子である(wikipedia)
それぞれの料理/飲み物は通常のゲームでいうところの資源です。
赤、白、茶、黒の4色のキューブがあり、それをお客に給仕することで、その客がホテルに泊まってくれます。
また、3R、5R、7Rでは、皇帝の得点計算があります。
これはケイラスでいうところの中間得点のようなもので、そのラウンドまでに要求された皇帝トラックが満たされていないとマイナスになります。逆に満たしているとボーナスがもらえます。
このようにして、皇帝の要求をおさえつつ、お客にどんどんホテルに泊まってもらい、得点を稼いでいきます。7ラウンド終わった時点でもっとも得点が高い人の勝利です。
グランド・オーストリア・ホテルを遊んだ感想
ダイスを振って、そのダイスを取ってアクションを行うので、どうしてもラ・グランハが思い浮かびますが、こちらの方がだいぶ遊びやすいです。
その理由は、やはり言語依存のなさにあると思います。
他のゲームでいうところの職業、助手に当たるスタッフは50枚弱あるのですが、効果がすべてアイコンで説明されています。もちろんパッと見分かりにくいものもありますが、それでもいちいちテキストを読むよりはだいぶ楽です。
また、ゲーム中に達成すると入るボーナス(方針カード)も12種類のうち3枚しか使わないので、ゲームの度に目的が変わります。皇帝タイルも12種類のうち3つしか使いません。
こういった遊ぶ度に展開が異なるスタイルは、最近のゲームによく見られます。確かにこれだと同じ展開になりにくいので、リプレイ性が高まりますね。最近のゲームだとスカイ島などもそうでした。(参照:スカイアイランド(Isle of Skye)を初プレイした感想)
面白いという評判をよく見かけましたが、確かにかなり面白いです。
そのためこの日は、1ゲーム目を説明込み3時間ほどで遊んでから、そのまま2戦目に突入しました。ちなみに2戦目は2時間半ほどでした。(3人プレイです)
ボードゲームに慣れている人は、上級者用選択ルールで遊ぶのがおすすめです。入門用選択ルールだとあらかじめ決まっているスタッフカードを各自が持つのですが、上級者用選択ルールだと、6枚をドラフトすることになります。
また、個人ボード(ホテルボード)も両面仕様となっており、一面は全員が同じ、もう一面はボードごとに部屋の配置が違います。配置が異なる方がプレイヤーごとに戦略が変わってくるためおすすめです。
難点といえば、ダウンタイムの長さです。
アクションやスタッフを使う順番によって、できることが変わってくるので、「これをやってからこれをやって、いや、その前にこっちをこうした方がいいか。いや、それだと金が足りないからまずはこっちで金をとって。あ、ならこっちを先にやった方がいいかも」といった感じに、さまざまなことを頭の中で考える必要があります。
こうやっていろいろなパターンを考えるのが楽しいといえば楽しいのですが、それがダウンタイムの長さというデメリットにもつながると思います。そのため、遊ぶならば3人までかなという気がします。
もう1つ難点を挙げるならば値段ですね。
現在、約9,000円なので、さすがに高いなぁという気はします。
もっと安くならば買うのですが。
うーん。
でも、面白いから買ってしまおうかな……。
ちなみにイラストはアグリコラやカヴェルナでお馴染みのクレメンツですが、ゲームデザインはローゼンベルクではありません。けれども、どこかで見たことがある人物が出てくるので、ファンならば思わずにやりとしてしまうかもしれません。