「クトナー・ホラ」は中世のチェコを舞台に銀山を中心に街を建設していく2~4人用のゲームです。手番では2種類のアクションが書かれたカードをプレイし、そこに書かれた一方のアクションを実行します。規定ラウンドを行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーがゲームに勝利します。
クトナー・ホラについて
ゲームボードやタイル類の準備を行います。
ゲームには鉱石・銀・木材・許可証・食料・ビールの6種類の資源が登場します。ただし、6種類の資源がそのまま登場するのではなく、すべてお金に換算されます。
たとえば、木材の価値が3で、3木材が必要ならば、9金支払うことになります。そのため、実際にやりとりするのはお金のみです。資源の価値はゲーム中の行動で上下します。
各プレイヤーは6種類のうち3種類の建物しか建てられません。どの建物になるかはゲーム開始時に割り振られます。
そのほかに全員が建てることができる公共施設があります。
このゲームでは6枚のアクションカードを使用します。それぞれに2種類のアクションが書かれており、全プレイヤーが同じ構成です。
アクションは以下の6種類+ジョーカーがあります。
採掘 | 鉱山に鉱山タイルを配置 |
---|---|
所有権 | 建物タイルを獲得 |
土地の購入 | ゲームボード場に区画マーカーを配置 |
建設 | 区画マーカーがあるところに建物タイルを配置 |
収入 | 全商品の生産量×価値分のお金を受け取る |
大聖堂 | ペリカントークンを使い恩恵を得る |
ジョーカーは好きなアクションができますが、名声が1下がります。
手番では2枚のカードをプレイします。その際、実行できるのはカードに書かれた片方だけです。それを3周するのですが、3周目は1枚のみカードをプレイするので、手札が1枚余ります。
全員がアクションが行ったならばラウンド終了です。再びカードを回収し、同じことを規定ラウンド繰り返します。
規定のラウンドが終わったならば最終得点計算を行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
実際のゲームの流れ
「タイルを獲得」「区画マーカーの配置」「建設」の3つのステップを踏むことで建物が建てられます。
建物タイルには建設コスト、配置コスト、即時効果、ドットが書かれています。
建設コストはその建物タイルを配置するのに必要なコストで、木材です。
配置コストはその建物の隣に区画マーカーを置くときに払うコストです。基本的に新しい建物はすでにある建物に隣接するように建てなければなりません。複数の配置コストを参照する場合は、もっとも高い金額を払います。
即時効果は建物によって異なります。建物を建てても永続効果やアクションが得られるわけではなく、その瞬間に即時効果が得られるだけです。
ドットはタイルごとに書かれたアイコンで、ゲーム終了時、隣接するタイルに同じドットがあると得点になります。
収入アクション時、ゲームボードに貴族トークンがあれば10金で評議会に配置できます。貴族トークンは4種類あり、それぞれゲーム終了時の得点条件を表しています。そのため、自分に都合がいい貴族を評議会に送る必要があります。
また、ペリカントークンを使うと大聖堂から恩恵が得られます。得られる恩恵はあらかじめ公開されており、その順番に獲得していくことになります。
直接的なインタラクションとしては、区画マーカーの配置があります。
同じドットと隣接すると得点が上がるため、その取り合いがあります。また配置する場所によってコストが変わるため、早く置くほうが安い場所に配置しやすいです。
間接的なインタラクションとしては価値の増減があります。たとえば、誰かが木材の建物を建てると木材の価値が変わります。
そのため、さっきまでは木材2が10金(2×5)だったのに、自分の手番になったら木材3が15金(3×5)になっていたということが起こります。
逆に価値が下がってしまうと得られる収入が減ってしまうため、一長一短があります。
派手さはないが手堅い面白さ
今回は3人で遊び、ルール説明からプレイ終了まで3時間弱でした。
基本的に最初から最後まで6つのアクションを繰り返すだけなので、そこまでルールは複雑ではありません。建物タイルもすべてアイコン表記なので、読み込むための時間などもかかりません。
1枚のカードに2種類のアクションが書かれているのがポイントで「今回は収入2回やりたいけど、そうすると建てられない」「建物2つ建てたいけど、手数が足りない」といったことがよく起こります。
1枚タイルを配置するだけでも「タイルの獲得」「区画の確保」「タイルの配置」という3つのアクションが必要になるため、比較的全体の流れは緩やかです。
ただ建物が建つごとに資源の価値が変わっていくため、上手く時流に乗れないと、高額なコスト支払うことになったり、まったく収入が得られなくなったりしてしまいます。
資源の価値が2種類の方法で変化していくのが、なかなか新鮮でした。(人口が増えた場合と該当建物が建った場合)
コンポーネントの見た目もあり、決して派手さはありませんが、手堅い面白さが感じられるゲームです。言語依存は名前くらいしかなく、テキスト効果などもないため初回からでもプレイしやすいです。
タイトル | Kutná Hora: The City of Silver |
---|---|
発行年 | 2023年 |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 60~120分 |
デザイナー | Ondřej Bystroň, Petr Čáslava, Pavel Jarosch |
BGGリンク | Kutná Hora: The City of Silver | BGG |