オンマーズは火星開発企業の主任宇宙飛行士として、国連が設定したミッションの達成を目指す1~4人用のゲームです。アクションエリアが軌道上と火星上に分かれており、シャトルで行き来しながら火星の開発を行います。
作者はエスケーププラン、ヴィニョス、ギャラリストなどを手がけたヴィタル・ラセルダ(Vital Lacerda)です。
オン・マーズ(On Mars)について
ゲームボードにタイル類を配置し、その脇に計画書カードや科学者カードを並べます。各プレイヤーは個人ボードとコマ類、企業目標カードを受け取ります。
ゲームは終了条件を満たすまでラウンドを繰り返します。
各ラウンドは2つのフェイズに分かれています。
1.アクションフェイズ
アクションフェイズでは手番順トラックに従って、1アクションずつ行っていきます。手番ではメインアクションの前か後に1回、エグゼクティブアクションを行うことができます。
アクションはワーカーを使うものと使わないもの、追加ワーカーを支払うことでアクションを強化できるものがあります。また、アクションエリアに他のプレイヤーのコマがある場合、追加コストを支払わなくてはなりません。
プレイヤーが軌道上と火星上のどちらにいるかで行えるアクションが異なります。
軌道上のアクション
着陸ポッド
軌道上から火星上へ移動します。
計画書の取得
計画カードを1枚取得します。
取得した計画カードに上級建造物コマ1つを乗せておきます。コマをゲームボード上にタイルに乗せると、カードに描かれたエグゼクティブアクションが使えるようになります。
テクノロジータイルの取得
テクノロジータイルを取得して個人ボードに置きます。
研究開発
個人ボードにあるテクノロジータイルを右に移動させます。そうすることでタイルに描かれた技術が強化されます。
補給
ボードの倉庫上にある資源かクリスタルを獲得します。
火星上のアクション
建設
コストを支払い、ゲームボードに建造物タイルを配置します。
アップグレード
コストを支払い、計画カード上にある上級建造物コマをゲームボード上の建造物タイルに置きます。
コントロールセンター
ゲームボード上にあるボットとローバーを移動させます。
移民船の受け入れ
宇宙船を製造します。
科学者の雇用・契約の締結
科学者カードや契約カードを取得します。
エグゼクティブアクション
科学者カードを使用したり、倉庫から資源を獲得したり、ボットを移動させたりします。
行えるエグゼクティブアクションは個人ボードに描かれており、宇宙船を建造することで種類が増えます。
ゲームボードに建造物タイルが増えていくと、コロニーのレベルが上がります。
コロニーのレベルが上がると計画書カードや倉庫が補充され、ゲームが終了に近づきます。
ゲーム開始時に3つのミッションが設定されます。
それに関わるアクションを行うとミッションマーカーが進みます。ミッションが完了することで、ゲームが終了に近づきます。
2.シャトルフェイズ
シャトルマーカーが進みます。シャトルが赤いマスにある場合、軌道と火星を行き来します。その際、シャトルがある側にいるプレイヤーは無料で移動を行うことができます。
シャトルが自分側にない場合、所有する宇宙船を使うことで移動することができます。
ゲームの終了
アクションフェイズ終了時、ミッションマーカーが最後まで到達していたら、そのラウンドを最後まで行い、もう1ラウンドを行ってゲーム終了です。
最終得点計算を行い、もっとも得点が高いプレイヤーの勝利です。
過酷な火星開発
2020年のベスト10に入れている人も多い、人気ゲームです。
まず、かなり要素が多いです。
BGGのメカニクスを見ると、
Area Majority / Influence
Contracts
Delayed Purchase
Drafting
End Game Bonuses
Hand Management
Hexagon Grid
Income
Movement Points
Moving Multiple Units
Point to Point Movement
Set Collection
Solo / Solitaire Game
Tech Trees / Tech Tracks
Tile Placement
Variable Phase Order
Worker Placement
17個もあります。
今回は3人で遊び、ルール説明からゲーム終了まで5時間以上かかりました。
基本はワーカープレイスメント(ワーカーを使わないアクションもありますが)なので、手番ではボード上のいずれかのアクションと追加アクションであるエグゼクティブアクションを行います。ただし、その際の細かい条件や処理が多く、序盤は「このときはどうなるんだっけ?」と何度もゲームが止まりました。
得点を競うゲームなのですが、協力ゲームの一面もあります。
たとえば、建造物タイルは配置しても自分のものになるわけではありません。みんなで協力して水抽出機や温室といった建造物を大きくしていくことでコロニーのレベルがあがります。
さらに、テクノロジータイルや計画書カードも他のプレイヤーのものを使うことができます。建造物を大きくするためにはテクノロジーが必要なのですが、誰かしらが持っていれば全員が使うことができます。(使ってもらうことで所有者にメリットもあります)
建造物を作るには資源が必要で、資源の所持上限を増やすのにはシェルターが必要で、建造物を大きくするのにはテクノロジーが必要で、テクノロジーを上げるのには資源が必要で……といった感じで、やることが盛りだくさんです。
カードの言語依存は名前くらいで効果などはすべてアイコンです。プレイヤー間の非公開情報はゲーム開始時に配られる企業目標カードだけで、他プレイヤーへのアドバイスはしやすいです。
とにかく要素が多く、序盤は資源もカツカツなので、かなり過酷です。ゲームが一度動き出すと、できることが増えていき、火星を開発している感覚が強くなっていきます。
万人に勧められるゲームではありませんが、重量級のゲームが好きな人ならば、1度試してみる価値は十分にあります。
タイトル | On Mars |
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発行年 | 2020年 |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 90~150分 |
デザイナー | Vital Lacerda |
BGGリンク | On Mars | BGG |