パイプラインは石油事業者となり、効率的な石油精製ラインを構築していく2~4人用のゲームです。さまざまなアップグレードをしながら、パイプや原油を買い、精製して、注文や契約を達成していきます。規定のラウンドを行い、もっとも所持金が多いプレイヤーの勝利です。
パイプラインについて
今回使用するアップグレードや精製するためのパイプの長さ、終了時に追加点をもたらす条件などを決めます。アップグレードはすべてテキスト効果で、それぞれ3段階のレベルがあります。
プレイヤーは個人ボードと初期資金、初期タンクを受け取ります。
ゲームは3年間行いますが、それぞれラウンドの数が異なります。
手番ではメインアクションかセカンダリーアクション、またはその両方を行います。両方行う場合は追加コストがかかります。
アクションの種類
- 契約の獲得 and/or 借金
- タンク and/or パイプの購入
- マシン and/or パイプの購入
- アップグレードの獲得
- 政府からのパイプ購入
- オイルの精製
- 市場でのオイルの売買
ワーカーを配置してアクションを実行しますが、他のプレイヤーのコマがいても同じアクションを行うことができます。
全員が順番にアクションを行うとラウンド終了です。年が終わるとリフレッシュフェイズになり、パイプが補充されたり、再びアップグレードが獲得できるようになります。
3年が終わったならば、最終得点計算を行い、もっとも所持金が多いプレイヤーの勝利です。
実際のゲームの流れ
原油は3色あり、それに対応してパイプも3色あります。パイプを購入してきて、できるだけ同じ色が長くつながるようにしていくため、パズル要素があります。
ある程度までパイプがつながったら、今度は精製を行います。精製は自分のパイプラインにワーカーを配置することで実行します。原油にはそれぞれ必要なパイプの長さが決まっており、それを満たしていれば精製してオイルの質を上げることができます。各色3段階まで精製することができます。
精製するためにはパイプだけでなく、当然原油が必要です。原油は市場から購入しなければなりません。また、精製したオイルを入れておくタンクも必要になります。
マシンを導入すると、精製が自動化されます。全員がアクションを行った後、15ドル支払うことで精製することができます。そのため、わざわざワーカーを配置しなくても精製可能になります。ただし、一旦自動化すると手動では精製できなくなってしまいます。
とにかく何をするにもお金がかかるため、時には借金も必要です。このゲームで借金の返済は不可で、終了時に借金の回数によってペナルティがあります。しかも、1回借金するのにも1アクションが必要です。
そうこうして、ようやくすべてが整って、オイルができたならば、それを売却します。この瞬間にドバッとお金が入ってくるのですが、いろいろやっていくうちに、またどんどんなくなってしまいます。
最終的に勝敗を決めるのはお金のため、どこまで投資に回して、どのくらい回収していくかの見極めも重要です。
お金カツカツ拡大再生産
パイプをつなげていくことで、だんだんと精製しやすくなっていくのですが、基本的に終始お金に余裕がありません。一時的にお金が増えても、またそれをさまざまな設備投資に回していく必要があります。
今回は4人で遊び、ルール説明からゲーム終了まで2時間ほどでした。
誰かがアクションをしていても問題なくそのアクションが行えるため、ワーカープレイスメント的なインタラクションはありません。ただし、パイプの購入やアップグレードの獲得、オイルの売買はすべて早い方が有利なため、全体的なインタラクションは強いです。
年が経過するほどラウンド数が減っていくのも特徴で、そろそろ上手く動き出しそうという頃にはゲームが終わってしまいます。
効率的なパイプラインを構築するためには、しっかりした下準備が必要です。そのため、ここで差がつくと、もう逆転は不可能です。最近のゲームはシステムでプレイヤーを守ってくれるものが多いですが、そういった意味ではまったくユーザーフレンドリーではありません。
パイプラインを構築するパズル要素、3色のうちどのオイルを選ぶかのプレイヤー同士の思惑、どのタイミングで換金していくかの見極めなど、重量級ボードゲームを好む人が好きな要素がぎっしり詰まっています。
難点としては、かなり場所を取ります。大きめのゲームボードにそれぞれの個人ボード、サプライとして並べておく15種類のアップグレードカード、その上、タイルをつなげてパイプラインを構築していくため、相当なスペースが必要です。
さまざまな面で効率を考えながら、じっくり遊びたい人にオススメのゲームです。
タイトル | Pipeline |
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発行年 | 2019年 |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 60~120分 |
デザイナー | Ryan Courtney |
BGGリンク | Pipeline | BGG |