トリックオブトリップは両隣の手札が見えている3~5人用のトリックテイキングゲームです。付属しているカードスタンドに手札を立てておき、見えている情報を上手く利用して、トリックに勝つことを目指します。
トリックオブトリップについて
カードは4スートが1~12までと切り札スートが1~6まであります。
各プレイヤーに6枚ずつカードを配ります。内容を確認したら、それを3枚と3枚に分けて隣のプレイヤーに渡し、どちらかを選んでもらいます。残った方を受け取り、自分もどちらかを選びます。そのため、手札は6枚です。(渡された3枚+自分で選んだ3枚)
カードスタンドはプレイヤー間に置くため、隣のプレイヤーの手札の半分は見えています。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングです。ただし、数字が小さい方が勝ちます。切り札はいつでも出すことができます。また、トリック内に切り札があると7が最強となります。
トリックに勝ったプレイヤーは自分が出したカードだけを受け取り、公開して自分の前に置いておきます。残りは捨札になります。これを6トリック行うとラウンド終了です。
公開されたカードをそのまま場に残して、次のラウンドを行います。残った山札と捨札をシャッフルして新しい山札を作ります。先ほどと同じように6枚を受け取り、3枚3枚に分けるのですが、今度は前ラウンドとは反対のプレイヤーにカードを渡します。
これを4ラウンド行うとゲーム終了です。
各スートごとに(もっとも大きい数字)×(枚数)が得点になります。すべてを合計して、もっとも得点が高いプレイヤーの勝利です。
いろいろな要素が詰め込まれた意欲作

6枚を3・3に分けるというドラフト要素と隣の手札が分かっているという要素が加わった意欲作です。お互いに情報が分かっているため、それを踏まえたプレイングが要求されます。そのため、どちらかというとトリックテイキングに慣れた人向けのゲームかもしれません。
今回は4人で遊び、ルール説明からプレイ終了まで40分ほどでした。
さまざまな情報を共有しつつ、戦略を立てるという意図は分かるのですが、それ以前に気になる点がいくつかありました。
まずカードの強さです。
多くのトリックテイキングでは数字が大きい方が強いため、小さい方が強いというのが直感的に分かりづらいです。ただ、ランクと枚数をかけることで得点計算するため、これは仕方ありませんね。強いカードがそのまま高得点だとバランスが悪くなってしまいます。
次にカードのデザインです。
パッケージを見ると80年代的なデザインになっているのかなと思いますが、配色が見づらいです。4スートすべてが紺色の枠に白抜き文字のため、どのカードが何のスートなのか分かりにくいです。一応スートごとにアイコンも描かれていますが、こちらもあまり統一性がなく、呼び方に困りました。
それからスタンドです。
コストの問題で仕方ないかもしれませんが、紙を折って立てているだけのため、そこまでしっかり支えてくれません。今回も何度かへたってしまったため、別の木製スタンドを使用しました。ここはゲームシステムの中でも大きな要素なので、同じように隣と手札を共有する「大勝負(Hab & Gut)」のようにしっかりしたスタンドが好ましいですね。
といった感じで、プレイアビリティに難があるかなという印象です。内容としてはかなり独自性があるので、トリックテイキングが好きな人ならばプレイの価値はあるかなといった感じです。
スタンドは谷折線などの折り目をキツく折り込むことで、倒れにくくなるそうです。

