西フランク王国の子爵は、カードをプレイすることで円周上のボードを移動してアクションを実行していく1~4人用のゲームです。「西フランク王国の建築家」「西フランク王国の聖騎士」に続く、西フランク王国三部作の最終作になります。
西フランク王国の子爵について

タイルを組み合わせて円形状のゲームボードを組み立てます。その中央に城トレイをはめ込みます。
各プレイヤーに個人ボードと初期手札のセットを配ります。その後、プレイヤーカラーのコマを受け取り、所定の位置に配置します。
プレイ人数+1つの初期資源と英雄市民カードのセットを作り、スタートプレイヤーの右隣から逆順に取っていきます。
英雄市民と初期手札をシャッフルして山札にします。その中から3枚、手札を引きます。
ゲームは終了条件を満たすまでラウンドを繰り返します。
手番の流れ
1.カードマネージメント
個人ボードにあるカードをすべて右に1枚分ずつずらします。個人ボードから捨て札に移ることで発動する効果もあります。
その後、個人ボードのもっとも左のスペースに手札を1枚プレイします。
2.移動
プレイしたカードに書かれた数字分、ゲームボード上の子爵コマを移動させます。
最低でも書かれた数字分移動させる必要があり、そこから1金につき1歩ずつ追加で移動させることができます。
3.アクション
アクションは以下の4種類です。アクションの効果は個人ボード上にあるアイコンの数によって強さが変わります。
交易 | お金や資源を獲得します。 |
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建築 | 石材を支払い、個人ボードにある建物コマをゲームボードに移動させます。建物コマが置かれていたマスの効果が発動します。 |
労働者の配置 | 黄金を支払い、ゲームボード中央の城に、自分の労働者コマを送り込みます。置かれた個数により、連鎖が発生します。 |
写本 | インク壺を支払い、ゲームボードにある写本タイルを獲得します。 |
4.雇用
ゲームボード上から町民カードを購入します。購入したカードは自分の捨て札置き場に行きます。
5.衝突
個人ボードの美徳マーカーと汚職マーカーが重なっている場合、ボード上に書かれているものを手番プレイヤーが得て、下に書かれているものを他のプレイヤーが得ます。
6.カードの補充
手札上限まで山札からカードを引きます。
十分な枚数のカードがない場合、捨て札をシャッフルして新たな山札を作ります。
ゲームの終了
規定枚数の借金カード、または権利証書カードがなくなると、そのラウンドでゲーム終了です。
最終得点計算を行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
ロンデル+デッキ構築

ゲームボード上をぐるぐる回るため、ロンデルのようなシステムになっています。ただし、お金を支払えば融通が効くため、一般的なロンデルのゲームより選択肢は多いです。
今回は4人で遊び、ルール説明からゲーム終了まで2時間半ほどでした。
BGGでのWeightは、
- 西フランクの建築家 2.77
- 西フランクの聖騎士 3.67
- 西フランクの子爵 3.43
となっており、建築家よりもルールは複雑になっていますが、聖騎士ほどではないという感じです。
手番ではカードをプレイしてアクションを実行するのですが、そのカードがアクションを決めるわけではないのが特徴です。
アクションを決めるのはゲームボード上の子爵コマの位置なので、プレイしたカードに関係ないアクションを行うことができます。
得点源は大きく分けて、建築・写本・労働者の配置の3つです。
建築をすればさまざまな特殊効果と得点が得られ、
写本をすれば即時効果とセットコレクションによる得点が得られ、
労働者を配置すれば即時効果とコマの位置による得点が得られます。
それに加えて貧困カードと繁栄カードがあるのですが、面白いのがどちらのマジョリティが入るかはゲームの終わり方による点です。
繁栄カードがなくなった場合は裏返した貧困カードの枚数、
貧困カードがなくなった場合は裏返した繁栄カードに枚数によって、マジョリティの得点が入ります。
そのため、ゲーム中はどちらの枚数が減っているかによってカードの価値が変わってきます。
今回はどんどん労働者を配置していくやり方と、できるだけ建物を建てていくやり方に分かれました。わたしは建物重視でとにかく石材を集め、労働者は1人も配置しませんでた。
労働者の配置は置いたときの即時効果もあるのですが、他のプレイヤーに追い出されてしまう可能性があり、ゲーム終了時の得点が減ってしまいます。その点、建物は建てれば建てるほど永続効果が増えていき、得点も伸びていきます。
結果としては労働者の配置で得点を取りまくったプレイヤーの勝利でした。同じく労働者を配置していたプレイヤーはどんどんコマを手元に戻されてしまい、最下位まで落ちてしまいました。
要素はなかなか多いですが、すべてアイコン効果なので、そこまで複雑でもありません。また、手番の流れも個人ボードに描かれているため、やることは分かりやすいです。ただし、×や+といった似たようなアイコンが多いため、どれがどれなのか把握するまでに慣れが必要です。
得点の取り方がいろいろあり、そのときの状況によって取るべき選択が変わってくるため、多彩な展開が楽しめます。カードを購入することで、狙ったアイコンを増やすことができるため、拡大再生産の面もあります。
オートマカードを使ったソロプレイも用意されているため、1人で遊ぶのが好きな人にもおすすめです。
タイトル | Viscounts of the West Kingdom |
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発行年 | 2020年 |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 60~90分 |
デザイナー | Shem Phillips, S J Macdonald |
BGGリンク | Viscounts of the West Kingdom | BGG |
