アマルフィは15世紀イタリアを舞台にした1~4人用のゲームです。プレイヤーはルネサンス期のアマルフィの商人となり、交易を行い、美術や文芸、建築に投資して勝利点を集めていきます。船コマをワーカーとしても資源管理としても使う、めずらしいシステムを採用しています。
アマルフィってどんなゲーム?
アマルフィはボードゲームのブログ「精神科医のボードゲーム日記」を書いているTakeWatchさん(@TakeWatchGo)が製作して、ボードゲームに関するグッズを販売しているuchibacoya pieceさんが販売元となってリリースされたゲームです。
メカニクス的にはワーカープレイスメントです。
船コマをアクションスペースに配置し、コストを支払い、資源を得ます。その資源を使い、さまざまなカードを獲得したり、プレイしたりして、勝利点を集めていきます。
カードは大きく分けて3種類です。
契約カード | ボード上に並んでおり、獲得したときにボーナスが得られます。得点が高いものが多いです。 |
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海図カード | ボード上に並んでおり、獲得すると自分だけのアクションスペースになります。 |
人物カード | 手札として持っており、ゲーム中にコストを支払ってプレイします。永続系、アクション系、即時系、終了字系の4種類があります。 |
これらのカードを上手く活用して、拡大再生産していきます。
アマルフィの特徴
アマルフィの特徴は船コマの使い方にあります。
個人ボード上部には、香辛料、小麦、ワイン、宝石、織物の5つの資源スペースがあります。個人ボードの中央は海で、使用可能な船コマが置かれています。
たとえば、アクションスペースに船コマを配置して、小麦2を獲得した場合、それを示すために小麦のマスに船コマを2つ置きます。つまり、船コマが3個手元にないと小麦2を獲得することはできません。
こうして得た小麦はカードの獲得やプレイに使用します。コストとして支払うと、また船が中央に戻ってきます。すると、この船は再び使うことができるようになります。
そのため、アクションに使用する数と資源として使用する数をよく考えておかないと「アクションはできるけど獲得ができない」という事態に陥ってしまいます。
もちろん船はゲーム中に増やすことが可能です。
増やすためにはコストが必要になりますし、食料供給の際に支払う量も増えてしまいます。
船コマをいかに上手く使うかが、このゲームの大きなポイントの1つです。
ゲームの流れ
ゲームは全4ラウンドです。
各ラウンドは3つのフェイズに分かれています。
1.アクションフェイズ
スタートプレイヤーから順番に1アクションずつ行っていきます。
全員がパスするとフェイズ終了です。
a. 船コマの配置
メインボード、または海図カードに船コマを配置してアクションを実行します。
b. 海図/契約カードの獲得
ボード上に並んでいる海図カード、または契約カードを獲得します。
c. 造船
コストを支払い船コマを増やします。新たに入手した船コマは次のラウンドから使用できます。
d. 人物カードのプレイ
コストを支払い、手札のカードをプレイします。
即時系(緑) | プレイしたときに1度だけ効果を発揮します。 |
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永続系(青) | 永続効果を得ます。 |
アクション系(赤) | ラウンドに1回、タップすることで使用できます。 |
終了時形(茶) | ゲーム終了時に得点になります。 |
e. アクション系カードの使用
カードを90度回転(タップ)させて効果を発動します。
各ラウンドの準備フェイズで縦向きに戻ります。
f. パス
ハードパスです。
パスしたら、そのラウンドはもうアクションできません。
2.食料フェイズ
獲得した植民地コマの数だけ食料を得ます。
その後、造船所で見えている最大の数字分の食料を支払います。
食料が足りない場合、足りない1につきマイナス3勝利点です。
3.決算・準備フェイズ
ゲームボード上に置かれている決算カードに従って、勝利点を獲得します。
その後、ラウンド終了時処理を行い、次のラウンドが始まります。
ゲームの終了
4ラウンドが終わるとゲーム終了です。
最終得点計算を行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
同点の場合は食料が多いプレイヤーの勝利です。
ハイクオリティな国産ゲーム
船コマの使い方が独特ですが、他は馴染みがあるシステムが多いため、ルールの理解はしやすいです。1つ1つを細かく見ていくと「あー、ここは○○っぽいな」というのが感じられると思います。
また、うちばこやさんが手がけているということもあり、コマの出来がかなりいいです。船コマ、食料コマ、植民地コマ、スタートプレイヤーマーカーのすべてにプリントが施されており、ここまで凝っているものは海外のゲームでもあまり見かけません。
今回は2人で遊んでみたのですが、ルール説明からプレイ終了まで2時間ほどでした。
序盤は「あれ?全然資源が貯まらないぞ?」から始まりました。
というのも初期船コマは6個のため、アクションで資源2個獲得を2回しただけで使い切ってしまうのです。
そこから「これは船を増やさないと」ということが分かり、だんだんとやるべきことが見えてきました。ちなみに造船は船コマを必要としないアクションのため、誰かに邪魔される心配がありません。そのため、好きなタイミングで増やすことができます。(ワーカープレイスメントでありがちな、増員の早取りが起こりません)
意外と食料は何とかなることが分かったので、あとは造船しまくって、とにかく手数を増やしました。
やはり船の使い方が絶妙で「この1個がどうにもならん」となってフェイズ終了となることがお互いにありました。(食料にもできるのですが、食料も満杯のため)
基本はワーカープレイスメントですが、カード要素が強いため、テラフォーミングマーズのように、どんどんカードをプレイしていくのが好きな人にオススメです。得点の取り方もいろいろあるため、繰り返し遊んでみたくなる魅力があります。
難点としては初版ということもあり、説明書が不十分さが挙げられます。いくつか触れられていない要素(人物カードのドローなど)があるため、この辺は追々補足されていくのではないでしょうか。
また、今回実際に1回やってしまったのですが、スコアトラックのコマを誤って回収してしまう可能性があります。ワーカーと同じ船コマを使用しているため、ラウンド終了時にうっかり一緒に回収してしまうことがありました。この辺は普通のキューブの方が分かりやすいのではと感じました。
手放しで「傑作」とまではいかないですが、国産ゲームのレベルの高さを感じさせる作品です。
タイトル | Amalfi |
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発行年 | 2020年 |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 120~180分 |
デザイナー | yamada takeo |