京都議定書は各国の代表として地球環境改善の討論に参加する3~6人用のゲームです。表向きはさまざまな問題を解決するようなスタンスを取りますが、実はそれぞれに悪化した方がいい問題もあります。そのため、上手く相手の腹を探り合いながら交渉を行っていきます。
京都議定書について
各プレイヤーは秘密目標カードを受け取ります。ここにはゲーム終了時の得点条件が書かれており、環境が悪化した方が得点が増える場合が多いです。
手札として裕福カードを受け取ります。こちらにはさまざまなアイコンが書かれており、課題を解決するためにプレイします。
他に初期資金を受け取ります。
ゲームは全12ラウンドです。
各ラウンドは4つのフェイズで構成されます。
ラウンドの流れ
1.発言者手当
このラウンドの発言者は基金から200万ドルを受け取ります。
その後、裏向きに置いてあった裕福カードを手札に戻します。
2.研究フェイズ
発言者は研究デッキから2枚のカードを引き、どちらかを選びます。
研究カードには解決するために必要なアイコンの数と目標資金が書かれています。
目標が解決できなかった場合のデメリットが2つ書かれており、1つは公開されますが、もう1つは発言者しか確認できません。
3.貢献フェイズ
このフェイズは90秒という時間制限があるため、何かしらのタイマーが必要です。
手番などはなく、好きなように裕福カードや資金を出します。
交渉のために他のプレイヤーに対して賄賂を送ることもできます。撤回されたカードはその人の手元に裏向きで置かれます。
4.影響フェイズ
課題に対して、十分な裕福カードと資金が出されていれば目標達成です。
お金は基金に納められます。カードはそのまま場に残り続けます。
余剰分のカードやお金は持ち主のところに返されます。カードの場合は裏向きで持ち主の手元に置かれます。
資金やカードが足りない場合は目標失敗です。
お金は持ち主に返され、カードは持ち主の元に裏向きで返されます。
さらに研究カードに書かれていた処理が行われます。
- 動物1種類の絶滅
- 気温の上昇
- 大気汚染の進行
該当するトークンを裏返すことで、連鎖的に効果が発動し、一気に複数の状況が悪化することもあります。
ゲームの終了
ゲームの終了条件は、以下の2つです。
- 全12ラウンドが終わる
- 3つの環境問題のうち、1つが5回悪化する
12ラウンドが終わった場合は、得点計算を行い、もっとも得点が高いプレイヤーの勝利です。
環境問題が悪化して終わった場合は、もっとも得点が高いプレイヤーがゲームから脱落し、次に得点が高いプレイヤーの勝利となります。
その問題はとりあえず良くない?
表向きはすべての環境問題を解決しようとしているものの、実は悪化した方が得点になるため、その辺を上手く誤魔化しあいながら話し合いを進めていきます。
今回は5人で遊び、ルール説明からゲーム終了まで50分ほどでした。
序盤は、
「このアイコンのカード出しますね」
「じゃあ、わたしは100万出します」
といった感じで、ゲームが展開していくのですが、だんだんと
「さっきは自分がお金出したから、今度はそっちで出してくださいよ」
「そのカード、100万やるから引っ込めてくれません?200万では?」
といった感じで殺伐としてきます。
お金もカードも得点になるため、無駄な出費は避けたいのですが、かといって環境問題が悪化し尽くしてしまうと、最多得点のプレイヤーが脱落してしまうため、バランスのいい動きが要求されます。
今回はみんなの積極的な働きもあり、見事12ラウンドを生き残ることができました。
テーマがテーマで、交渉がメインということもあり、かなり好き嫌いがでそうです。
ルール自体は難しくなく、研究に対してカードやお金を出すか出さないかがメインです。あとは非公開の目標に従って、どれを出してどれを出さないかを判断すればOKです。
ちょっとブラックな交渉ゲームが遊びたい人におすすめです。
タイトル | Kyoto |
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発行年 | 2020年 |
プレイ人数 | 3~6人 |
プレイ時間 | 30~45分 |
デザイナー | Sabine Harrer, Johannes Krenner |
BGGリンク | Kyoto |