スマートフォン株式会社はスマートフォンのメーカーとなり、新しい技術を開発し、商品を生産して販路を拡大していき、自社の売り上げを伸ばしていく1~5人用のゲームです。ラウンドで行うアクションをプロットするのですが、2枚のパッドを組み合わせて決めるのが特徴です。
スマートフォン株式会社について
各プレイヤーに、ついたて、トークン、2枚のパッドを渡します。パッドは両面仕様になっており、さまざまなアイコンが描かれています。
ゲームは全5ラウンドで、各ラウンドは8つのフェイズに分かれています。フェイズで何を行うかはゲームボードにアイコンで描かれています。
ラウンドの流れ
1.計画フェイズ
ついたての内側で2枚のパッドを組み合わせて、このラウンドで行うアクションを決めます。パッドは縦3×横2マスに分かれており、必ず1マス以上が重なるようにパッドを組み合わせます。
2.価格設定フェイズ
パッドのアイコンに従って価格を調整します。
これが今回の販売価格になります。
3.生産フェイズ
パッドにある箱のアイコンとパッドが重なっているマスの合計が、今回生産する商品の数です。
4.生産改善フェイズ
2マスの新しいタイルを獲得します。
獲得したタイルは次のラウンドからパッドの上に重ねて使うことができます。
5.技術研究フェイズ
新しい技術に対して投資を行います。規定数がたまるとその技術を獲得し、さまざまな効果が得られます。また、獲得した技術に応じて販売数が増えます。
6.物流フェイズ
隣接するエリアに対して販路を広げます。
7.販売フェイズ
オフィスがあるエリアで商品を販売します。
ゲームボードには需要価格が書かれており、それ以下の価格の商品しか売ることができません。技術を獲得していると販売できる個数が増えます。
8.得点フェイズ
価格×販売数を得点として獲得します。
さらに各エリアごとの販売数のマジョリティによって得点が入ります。
ゲームの終了
5ラウンドが終わるとゲーム終了です。
技術による得点などを加算して、もっとも得点が多いプレイヤーの勝利です。
スッキリまとまった拡大再生産とエリアマジョリティ
タイトルは知っていたのですが、それほど惹かれないテーマだったのでスルーしていました。しかし、今回初めてやってみて、これは買っておけばよかったと、ちょっと後悔しています。
商品を生産してから販売、ただし需要に限りがあるため、売れ残った分は廃棄といった流れはフードチェーンマグネイトを思わせます。ただし、あちらよりもかなり要素が絞られており、複雑な処理などもありません。ちなみにBGGでのWeightはFCMが4.19なのに対して、Smartphone inc.は2.78です。
アクションをパッドでプロットするのですが、これはゲーム中に改善することができます。そうすると自分の路線にあったアイコンを増やしていけるようになります。
また、パッドはどの向きでどこを重ねるかで、できることが変わってくるため、それをパズルのように組み合わせていくのも面白いです。
各フェイズでのアクションは価格が安い方から行います。
これも悩ましいところで、安くして先にアクションをするのか、高くして得点を重視するかで方針が大きく変わってきます。薄利多売でいくのか、高級路線でいくのかといったところですね。
今回は4人で遊び、ルール説明からゲーム終了まで2時間ほどでした。
最初は流れがよく分からなかったので、商品を無駄に生産して売れ残ったりしていましたが、だんだんとやるべきことが見えてきて、方針が決まってきました。
わたしはまず、できるだけ研究を進めて販売可能な数を増やし、あとは販路を広げて高級路線でいくことにしました。
そのため、他の人が価格を下げて先にアクションしようとしているところ、逆に価格を上げて空いているところに、どんどん商品を販売していきます。
なかなか健闘したのですが、先に無駄な手を打っていたことが響き、惜しくも2位で終わってしまいました。
ラウンドで行うことをあらかじめプロットしておくため、最初さえ決めてしまえばあとはスムーズに進みます。そのため、テンポよく遊ぶことができます。
パッドが強化されて、どんどんできることが増えていくのが単純に楽しいですね。プレイヤーごとに方針が大きく変わってくるのも面白いです。
ほどほどのルール量で、時間も1~1時間半ほど、それでいながら拡大再生産やエリアマジョリティがしっかり楽しめる佳作です。テーマと見た目からかなりシビアそうに感じますが、実際にやってみると思いの外サクサク遊べるのでオススメです。
タイトル | Smartphone Inc. |
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発行年 | 2018年 |
プレイ人数 | 1~5人 |
プレイ時間 | 60~90分 |
デザイナー | Ivan Lashin |