2010年に発売された世界の七不思議と2019年に発売されたイッツアワンダフルワールドの比較記事です。文明をテーマにしたドラフトという似ている要素が多いゲームのため、どういった違いがあるのかをまとめます。
基本情報
世界の七不思議 | イッツアワンダフルワールド | |
発売 | 2010年 | 2019年 |
プレイ時間 | 30分 | 30~60分 |
プレイ人数 | 2~7人 | 1~5人 |
対象年齢 | 10歳以上 | 14歳以上 |
Weight(難易度) | 2.33 | 2.23 |
デザイナー | Antoine Bauza | Frédéric Guérard |
内容物の違い
世界の七不思議には、七不思議ボード、カード、交戦トークン、コイン、スコアブックが入っています。
イッツアワンダフルワールドには、ゲームボード、カード、資源キューブ、人物トークン、ラウンドマーカー、得点計算シートが入っています。
大きな違いはカードです。
世界の七不思議では、第Ⅰ、第Ⅱ、第Ⅲと世代ごとにカードが分かれています。
イッツアワンダフルワールドの発展カードはそういった区別がありません。
ルールの上の主な違い
ラウンド
世界の七不思議では、第Ⅰ世代から第Ⅲ世代まで全3ラウンドを行います。
イッツアワンダフルワールドは全4ラウンドです。
カードのドラフト
ドラフト方法は両方とも同じで、1枚を選んで残りを隣に渡すといういわゆるブースタードラフトです。ラウンドによって渡す向きが変わるという点も同じです。初期手札が7枚というのも同じです。
違いは選ぶ枚数です。
世界の七不思議では、残り1枚は捨てますが、イッツアワンダフルワールドでは全員が7枚を獲得します。
また、カードの処理タイミングも異なります。
世界の七不思議では1枚選ぶごとにそのカードの用途を決めます。
イッツアワンダフルワールドでは7枚すべてを獲得してから、それぞれどう使うかを決めます。
カードの使い方
世界の七不思議でのカードの使い方は3種類です。
- 建造物の建造(コストを支払ってカードをプレイ)
- 七不思議の建造(カードを裏向きでボードの下に)
- 捨てて3金
イッツアワンダフルワールドではカードの使い方は2種類です。
- 構築(カードをプレイ)
- リサイクル(カードに描かれている資源に変換)
世界の七不思議ではコストを支払ってカードをプレイしますが、イッツアワンダフルワールドでは、まずカードをプレイして、後から資源を支払います。
また、世界の七不思議ではカード同士がつながっていることがあり、特定のカードをプレイしていれば次は無料で出せるカードがあります。
資源
世界の七不思議では、資源トークンなどはありません。場にあるアイコンの数だけ、その資源が毎ラウンド出ていることになっています。また、コインを支払うことで両隣のプレイヤーから資源を買うこともできます。
イッツアワンダフルワールドでは5色+1色(オールマイティ)の6色の資源があり、各色のキューブがあります。そのキューブをカードの上に置くことで、コストとします。すべてのコストを置いたらそのカードは完成したことになり、効果を発揮します。
ラウンド終了時の処理
世界の七不思議では世代の終了時に両隣のプレイヤーとの戦争があります。
お互いの軍事力を比べて高い方が勝利トークン、低い方が敗戦トークンを受け取ります。もらえる勝利トークンの数は世代が進むほど増えていきます。引き分けの場合は両方とも何ももらいません。
イッツアワンダフルワールドでは製造フェイズの終了時、各色のキューブの生産数の数を競います。各色でもっとも多くのキューブを単独で生産したプレイヤーは人物トークンを獲得します。人物トークンはゲーム終了時に得点になります。また、カードの中にはコストとして人物トークンを使用するものもあります。
非対称能力
世界の七不思議では各プレイヤーが七不思議ボードを使用します。コストを支払って建造していくことで、ボードに描かれた能力が使えるようになっていきます。ボードは両面仕様になっており、それぞれ効果が異なります。
イッツアワンダフルワールドでは各プレイヤーは帝国カードを使用します。帝国カードは最初に生産できるものとボーナス点になる要素が違います。裏面はすべてのカードが同じになります。
どちらも優れたドラフトゲーム
ゲーム自体の流れも、ルールの難易度もそれほど変わらないため、どちらが良いかは完全に好みの問題です。
大きな違いはカードです。
世界の七不思議では第Ⅰ世代で生産系のカードをそろえ、第Ⅱ世代で上級資源や変換系のカードをそろえ、第Ⅲ世代で高得点のカードを完成させていきます。そのため、序盤でつまずいてしまうと、あとはそれを引きずってしまいます。(お金で無理矢理買うこともできますが)
イッツアワンダフルワールドは、カードが完全ランダムで出てくるので、最高得点のカードが初手から来ることもめずらしくありません。ただ、どのカードも資源に変換することができるため、たとえコストが高くても有効に活用することができます。
また、両ゲームとも拡張が販売されています。
世界の七不思議は昔からの人気ゲームということもあり、日本語化されているものだけでも「指導者たち」「都市」「バベル」「艦隊」と種類が多く、カードが増えるだけでなく、さまざまな要素が足されていきます。
イッツアワンダフルワールドは現状、日本語化された拡張は「戦争か平和か」だけですが、5つのシナリオを連続して遊ぶという、ちょっと変わった内容になっています。
両方とも基本だけで遊ぶならば、それほど難しくありません。テキスト効果などもないので初回から十分に楽しむことができます。1プレイにかかる時間も短いので繰り返し遊ぶのにも適しています。