ボードゲームのテーマの1つとして文明系、文明発展系ゲームがあります。1プレイで何千年という期間を戦い抜くのはゲームならではの楽しさがあります。今回は文明系の中でも、原始から現代のようにだんだんと時代が進んでいくゲームを選んでみました。
シドマイヤーズ シヴィライゼーション
同名のPCゲームをボードゲーム化したものです。
特殊能力をもつ1つの国を担当して、文明を発展させ、4つある勝利条件のいずれかを達成することを目指します。
現在、日本語版では「富と名声」「叡智と闘争」の2種類の拡張セットが出ています。これらの拡張を入れることで、使える国が増え、展開も豊かになり、バランスも調整されるため、遊ぶ場合は両方ともあった方がいいです。
内政、外交、戦争とすべての要素が入っており、文明発展系のゲームが好きな人ならば、ぜひ遊んで欲しいゲームです。
ただし、要素が多いため、ルールの把握がかなり大変です。また、それにともなってプレイ時間も長くなりがちです。
それらを乗り越えることができれば、遊ぶ度に違った展開が楽しめるゲーマーズゲームです。
シヴィライゼーション:新たな夜明け
上記のシヴィライゼーションの新バージョンで、内容はかなり変わっています。
手番ですることがカードプレイだけになったため、だいぶ分かりやすくなっています。これまでにあった内政、外交、戦争といった要素ももちろん含まれており、さまざまな技術や世界遺産を築き上げていきます。
やるべきことがカードプレイにまとめられたため、テキストがかなり多めです。また、カードのパワーアップが単純に要素が増えるだけでなく、ランクアップすることでできなくなることもあるので、しっかりすべてのテキストを読んでおく必要があります。
4通りだった勝利条件が、ランダムで決められるように変更されたため、ゲームごとに違ったプレイングを要求されます。
ヒストリア
カードをプレイすることでゲームが進行していきます。
全員が伏せてカードを出し、一斉公開して、順番にアクションを解決していきます。変わっているのがカードの回収システムで、使ったすべてが戻ってくる訳ではなく、1番下のものからアクションや効果によって順番に戻ってきます。そのため、カードをプレイする順番も重要です。
カードプレイだけで、ワンダーの建設、地図上のマジョリティ争い、技術の発展、戦争といったさまざまな要素が楽しめます。
選んだ文明ごとに特殊なカードが使えるので、それによっても展開が変わってきます。
もう1つの変わった点として、ラウンドの終わらせ方があります。
ヒストリアでは誰かが「革命」のアクションを起こさないとラウンドが終わりません。そのため、誰がいつ革命を起こすかという読み合いも面白さの1つです。
カードはアイコンで示されているので言語依存はカード名くらいしかありません。
黄金時代(The Golden Ages)
資源がお金しかないシンプルな文明発展系ゲームです。マップ上に小麦や鉱石といったアイコンがあるのですが、すべてがお金に変換されます。
プレイヤーボードにできることが描かれており、技術を進歩させることでできることが増えていきます。
独自の要素がタイトルにもある黄金時代というルールで、パスしたプレイヤーは再び自分の番が来る度に2金が得られます。そのため、他のプレイヤーがもたもたしていると、どんどんお金が入るため、ある程度の妥協が必要になってきます。
拡張セットを入れることで、カードや要素がだいぶ増えるので、これだけだとちょっと物足りない場合には、そちらを入れて遊ぶのがオススメです。
他の文明系に比べると、直接攻撃要素が薄いので、そういった要素が苦手な人にもオススメです。
プログレス
テックツリーを基にどんどん文明を発展させていくゲームです。
個人ボードにはできるアクションが描かれており、技術を発展させることで、引ける枚数が増えたり、アクション数や手札上限が増えたりしていきます。
面白いのがカードの出し方で、コストがない場合は研究というアクションで何ターンかかけてプレイすることが可能です。
テックツリーがかなり細かく、どのカードがどのカードにつながっているかをしっかり把握していないと効率良く発展できません。世界の七不思議のように資源を無理矢理買ってプレイといったことはほぼできないので、先を見据えたプレイングが要求されます。
選択ルールとしていくつかの拡張が用意されているので、それらを入れることで展開がだいぶ広がります。
スルー・ジ・エイジズ:新たなる文明の物語
文明系ボードゲームの中でも、熱烈なファンが多いゲームです。
新版になり、ルールがブラッシュアップされ、コンポーネントのサイズが大きくなったため、だいぶ遊びやすくなりました。
個人ボードに建物や軍隊といったカードを置いていくことで、自分の文明を発展させていきます。文明系ボードゲームはプレイヤーごとに個人能力をもつものが多いですが、スルー・ジ・エイジズでは全員が同じ状態でスタートします。
戦争により、相手から得点を奪えるため、いくら序盤でリードしていても、後半に詰んでしまうことがあるため、人は選びます。また、バランスもかなりシビアなため、上手くプレイングするためには何度か遊ぶ必要もあります。
ただし、それらを乗り越えれば何度遊んでも異なる展開が訪れる、非常に魅力溢れるゲームです。スマホ用のアプリもあるので、まずはそちらを試してみるのもいいかもしれません。
ネイションズ
プレイヤーはいずれか一国の主として、4つの時代を戦い抜きます。
お金、食料、石といった3つの資源がありますが、お金はカードを取るため、食料は供給のため、石はワーカーを配置するためと、はっきり役割が決まっているので、やることが分かりやすいです。
ネイションズの特徴はなんといってもカードの多さで、1回のプレイでは全体のごくわずかしか使用しません。そのため、毎回違う展開になります。ただ、この多さが厄介なのも確かで、場合によっては全然建物が出ずにみんな発展できないといったケースも起こります。
この辺の大ざっぱな感じが好きで、毎年何度もプレイしています。
また、手札などの非公開情報がないため、プレイ中のアドバイスもしやすいです。多くのカードはアイコンですが、言語依存はそれなりにあります。
個人的には使用できる国が倍以上に増える拡張は必須です。