フリードマン・フリーゼは日本国内でもファンが多いボードゲームデザイナーです。すべてのタイトルがF(原題)で始まり、パッケージが緑色という特徴があるため、箱を見ただけで「あ、フリーゼ?」とピンとくる人も多いです。彼の緑へのこだわりは相当で、自身の髪の毛も緑色です。
ボードゲーム
電力会社(2004年)
原題はFunkenschlagです。
数ある彼のゲームの中でも、もっとも有名であろうタイトルです。さまざまなバージョンや拡張マップ、さらにはここから派生したファクトリー・マネージャーや舞台を原始時代にした最初の火花なども出ています。
電力会社は2~6人用のゲームで、マップ上に都市を建設し、そこに電気を通していきます。そのために発電所を競り落とし、発電のための燃料を揃えていきます。
競り、ネットワークビルド、リソース管理とさまざまな要素が見事にまとまっており、ファンが多いゲームです。
ファウナ(2008年)
原題はFaunaです。
世界各地の動物に関するクイズゲームです。360種類の動物に対して、その生息地、体重、体長、しっぽの長さなどを予想します。
まず動物のイラストと名前が出され、それを見ながら上記を予想して、ボード上にコマを置いていきます。全員がコマを置いたら答え合わせをして、的中、ニアピンなどによって得点がもらえます。
何となくこのくらいかなぁという想像がつく動物から、見たことも聞いたこともないような動物まで、さまざまな種類の動物が登場します。よほど動物に詳しくない限り、分かりようがない知識ばかりなので、プレイヤー間の差はほとんどでません。
要素をシンプルにした子供向けのファウナジュニアもあります。
504(2015年)
9種類のモジュールから3種類を選び、そのルールに従ってゲームを行うという怪作です。
1箱で504種類のゲームが遊べることから、このタイトルになっています。組み合わせ次第でルール量も変わってくるため、プレイ時間も30~120分と幅広いです。
ダイス、紙幣、コマ、カード、ボードとコンポーネントもたくさん入っています。
ちなみに504はドイツ語でfünfhundertvierです。
フレッシュフィッシュ(1997年)
ボードゲーム、魚、原子力、石油という謎の組み合わせが登場する2~5人用のゲームです。
マップ上に自分のキューブを配置し、そこに建物タイルを置いて街を作っていきます。それだけだと割と普通のゲームなのですが、道路タイルの置き方が曲者です。
道路タイルはプレイヤーが自主的に置くのではなく、条件を満たすと自動的に置かれます。そのため、盤面をよく見て誰かが気づかないと置かれません。しかも、この条件がややこしく、初めは指摘されても「???」となります。
2014年にリメイクされており、チーズ、アイス、ソーダ、魚に変わっていて、ルールも多少変わっています。
ビール侯爵(2010年)
原題はFürstenfeldです。
6マスの自分の領地にタイルを置き、ビールを造っていく2~5人用のゲームです。だんだんと資源が増えていく拡大再生産の一面がありますが、最終的には効果がない宮殿に変えていかなければなりません。
宮殿はドミニオンでいうところの領地のため、デッキ構築的な雰囲気もあります。どのタイミングで得点化に切り替えるかが重要です。
フルーツジュース(2016年)
原題はFabled Fruitです。
2~5人用のワーカープレイスメントです。最大の特徴はアクションスペースが変わることです。誰かが条件を満たすと、先ほどまであったいくつかのスペースが新しいスペースに変わります。
そうすることで、新しいルールやコンポーネントが加わり、また違ったプレイ感になります。
やればやるほどどんどんゲームが変わっていくため「次はどんな要素が?」というワクワク感があります。
一度ハマれば延々と遊んでいられるゲームです。
カードゲーム
サンドキャッスル(2018年)
原題はFine Sandです。
デッキ構築ならぬデッキ解体ゲームです。どんどん場にカードを出していき、山札と捨札がなくなるとゲーム終了です。同時に手番を実行するため、ダウンタイムがないですが、その分、ソロプレイ感が強いです。
続けて遊ぶ場合は少しずつデッキのカードが変わっていくため、異なる戦略を要求されます。
さまざまなカードがありますが、言語依存はなく、アイコンで効果が分かります。
ファミリア(2010年)
原題はFamigliaです。
2人用のカードゲームで、マフィアとして得点を競います。カードは4色あり、それぞれ0~4までの数字が書かれています。手番では新たなカードを1枚獲得します。その際に、対応するカードを2枚だし、1枚は捨てなければなりません。
そうしてカードを交換していき、どんどん強力なメンバーを揃えていきます。
じっくり遊べる2人用ゲームで、ソロプレイ用ルールも用意されています。
フォッペン(1995年)
原題はFoppenです。
4~8人用のトリックテイキングゲームです。
1枚ずつカードを出していったときに、もっとも小さい数字を出したプレイヤーはフォッペンディスクを受け取り、次のトリックに参加できなくなります。
これを繰り返し、手札がなくなった人がいると、そこでラウンド終了です。手札を出し切った人は得点がもらえ、それ以外の人は残った手札の数字の合計がマイナス点です。
分かりやすいルールで対応人数の幅も広いため、使い勝手のいいゲームです。
5本のきゅうり
原題はFünf Gurkenです。
カードには1~15までの数字と、きゅうりのイラストが描かれています。他に、きゅうりの形をしたトークンがあります。
手札を1枚ずつ出していく、いわゆるトリックテイキング形式のゲームなのですが、勝敗に関係するのは最後の1トリックのみです。最後のトリックを取ってしまったプレイヤーは、そのカードに書かれている数だけきゅうりトークンを受け取ります。
そうして受け取ったきゅうりが5個を上回ってしまったプレイヤーの負けです。
ルールだけを聞くと6トリック目までは意味がなさそうに思えますが、そこに至るまでにどのようにカードを使っていくかが勝敗の鍵となります。
トリックマイスター
原題はStich-Meisterです。
タイトルがFで始まらず、パッケージも緑ではないという、フリーゼの中ではめずらしいゲームです。
4スート、1~15のカードを使用するトリックテイキングですが、最大の特徴はルールがラウンドごとに変わるという点です。
各自がさまざまなルールカードを持っており、それを一斉に公開することで、そのラウンドのルールが決まります。どれが切り札になるのか、どれがプラスで、どれがマイナスになるのか、すべてそれで決まるため、手札を見てもいいのか悪いのか分かりません。
どちらかというとパーティーゲーム寄りのトリックテイキングゲームです。