ポルトガル年間ゲーム大賞は、2006年からポルトガルのボードゲームサイト「シュピール・ポルトガル」で決められています。ドイツ年間ゲーム大賞のエキスパート賞よりも、さらに経験者向けのゲームが多く、1プレイ3~4時間かかるようなゲームがほとんどです。
個人的に好きなゲームが多く、いわゆる「重ゲー」が好きな人に取ってはハズレがないラインナップになっています。
2006年 インペリアル
帝国主義のヨーロッパを舞台に、投資家として世界を裏から操ります。
さまざまな国が登場しますが、プレイヤーが担当する訳ではなく、株式を多く持っている人が行動を決めます。そのため、株式の増減により、担当する国がゲーム中に変わっていきます。
作者はマック・ゲルツで、今や彼の代名詞でもあるロンデルを使ったゲームです。
運要素は一切なく、何時間にも渡って濃密なやり取りが楽しめます。
2007年 ブラス
2007年に発売され、10年以上経ってからブラス:ランカシャーとブラス:バーミンガムが登場したマーティン・ワレスの代表作です。最近ゲームを始めた方だとリメイクされた通称白ブラス・黒ブラスの方が馴染みがあるかもしれません。
産業革命時のイングランドを舞台に、事業家として運河や鉄道を敷設したり、さまざまな建物を建設していきます。
手番では8枚の手札から2枚をプレイするだけなのですが、何をどこから進めていくかがとても悩ましいです。最初は収入が0のため、ワレスにつきものの借金が必要です。
2008年 アグリコラ
一時代を築いたといっても過言ではない、大ヒットゲームです。
職業や進歩といったさまざまなカードをプレイしつつ、自分の農場を拡大していきます。カードは膨大にある中のごく一部しか使用しないため、遊び度に違った展開が楽しめます。
ウヴェ・ローゼンベルクの代表作であり、ワーカープレイスメントといえばアグリコラを思い浮かべる人も少なくありません。
今でも拡張が出続けている大人気ゲームです。
2009年 マリア
マリア・テレジアとオーストリア継承戦争をテーマにした3人用戦略シミュレーションゲームです。
プレイヤーはマリア・テレジア、フリードリヒ、ルイ15世に分かれて覇権を競います。完全なる三つ巴ではなく、フリードリヒはオーストリア(マリア)の敵でもあり、味方でもあるという複雑な関係になっています。
エリアが4スート(ハート、ダイヤ、クラブ、スペード)に分かれており、戦闘する際はそのエリアのスートのカードしか使えません。
カードを含め、ゲームボードなどのコンポーネントがとてもキレイです。
2010年 トロワ
中世フランスを舞台に、一族の繁栄を目指します。
アクションを行う際に、ダイスを使用するのですが、他のプレイヤーのダイスも使うことができます。(対価としてお金を支払いますが)
カード効果はすべてアイコンで、言語依存は名前くらいにしかありません。ただ、このアイコンがなかなか厄介で「トロワ語」と言われるほど分かりづらいです。
アクションがカードによって決まるため、毎回違った展開が楽しめます。
2011年 祈り、働け
アグリコラと同じウヴェ・ローゼンベルクの作品です。
個人ボードにアクションスペースとなる建物カードを配置していきます。そこにワーカーを置いてアクションを実行するのですが、変わっているのが人のワーカーをその人のボードに配置して、自分が恩恵を受けることができる点です。
そのため、自分で使おうと思っていたアクションが先にふさがれてしまうことがよくあります。ワーカーは3つすべてが使われて初めて戻ってくるため、場合によっては、ずっとその場所が使えないこともあります。
人気が高く、再販が熱望されているゲームの1つです。
2012年 キーフラワー
ワーカープレイスメントと競りを組み合わせた独特なゲームです。
六角形のタイルの辺に置くと競り、真ん中に置くとアクションが実行されます。ただし、どちらにも同じ色のミープルしか使えないというしばりがあるため、何色を置くかが悩みどころです。
競り勝ったタイルは自分の手元にやってきて、村がどんどん発展していきます。また、上に乗っていたミープルはすべて自分のものになります。
「農夫たち」「商人たち」という拡張セットが出ており、タイルの種類が増えるだけでなく、家畜や契約書など新しい要素が加わります。
2014年 ネイションズ
ペルシャや中国といった国を担当して、古代から近代までを戦い抜きます。
手番では場に並んでいるカードを購入するか、個人ボードにあるカードに対して労働者を配置します。手札などはなく、文明系ゲームの中ではかなりシンプルなルールです。
拡張を入れることで使える国家が5カ国から17カ国に増える上、国ごとに3種類の能力を持つようになるため、基本だけよりもかなり面白くなります。
2015年 ラ・グランハ
農場である個人ボードを発展させていくのですが、カードの辺によって効果が違うのが特徴です。1枚のカードに4種類の役割があるため、どれを選ぶかが悩ましいです。
アクションはダイスドラフトになっており、最後に残った1つの効果は全員が使うことができます。
輸送フェイズでは陣取り的な要素もあるため、かなり盛りだくさんな内容になっています。
2016年 モンバサ
アフリカにおける貿易会社の発展をテーマにしたゲームです。
個人ボードにアクションカードをプロットしてから、アクションを実行します。使用したアクションカードは休息させてから回収しなければならず、どの場所にどのカードを置くかも重要です。
4つの株式会社が登場し、好きな株を売買できます。もちろん株価は上下するため、値上がりしそうな株を上手く買うのが重要です。