次々に新作が登場している中で、過去のボードゲームを振り返るプレイバック企画です。今回は2015年に登場したゲームをピックアップしてみました。
パンデミックレガシー
ボードゲームにおける「レガシー」という言葉を定着させた作品。
病原体から世界を救うというテーマはパンデミックと同じものの、新しい要素が追加されたり、ボードにシールを貼ったり、カードを破り捨てたりと1度しか遊べないのが特徴。
12ヶ月をプレイするため、最低でも12回を同じプレイヤーで遊び続ける必要がある。(1ヶ月につき1度だけ再挑戦の機会が与えられるため最大で24回)
1度しか遊べない、固定メンバーで遊び続けるというハードルはあるものの、これでしか味わえない面白さがある。
世界の七不思議デュエル
世界の七不思議の2人用として登場。
世界の七不思議はカードを1枚選んで隣に渡すドラフト形式だったが、デュエルでは場に並んでいるカードをお互いに取っていく形式に。
手番で行うことは建造物の建築、カードを捨ててコインの獲得、七不思議の建造と世界の七不思議とほぼ同じだが、プレイ感はだいぶ違う。
世界の七不思議では条件を満たすと即座に勝利できるため、ゲーム中盤でも油断できなくなった。
拡張の「パンテオン」を入れることで、さまざまな能力が使えるようになり、選択肢も増えるため、所持必須と考えている人も多い。
フードチェーンマグネイト
飲食店の経営者として、さまざまなスタッフを雇い、料理を作り、宣伝を行い、お客に買ってもらう重量級ゲーム。
知る人ぞ知る存在だったスプロッターは、これにより一躍有名に。それに伴い、インドネシアやバス、アンティクィティといった過去の作品に目を向ける人も増えた。
運要素なしのゲームの上、序盤でつまづいてしまうと逆転は不可能という初心者殺し。ただし、それを乗り越えられればヒリヒリとした駆け引きがこれでもかというくらい味わえる。
さまざまなモジュールが追加される拡張の「ケチャップ」も日本語版が発売された。
マルコポーロの旅路
ダイスをワーカーとして使うダイスプレイスメントの代表作。
ダイスを配置し、さまざまな資源やお金を獲得して、商館を建てたり、地図上を旅していく。
最大の特徴は、ゲーム開始時に配られるキャラクターカード。
どれもルールを無視するような強力な効果で、展開が派手になる。
「え?そんなのずるくない?」というキャラクターをみんなが使うため、盛り上がる。
その後、マルコポーロ2にあたる「マルコポーロ:大いなる帰還」が発売。新しいマップでバランス調整が施されており、より遊びやすく仕上がっている。もちろん、こちらにも強力なキャラクターが登場。
モンバサ
貿易会社の発展をテーマにした経済ゲーム。
グレートウエスタントレイル、アイルオブスカイ、ブルームサービス、ブラックアウト香港、マラカイボと、さまざまな人気作を手がけているAlexander Pfister(アレクサンダー・フィスター)の作品。
カードをプロットしてアクションを実行というタイプのゲームだが、かなり要素は多め。マップ上の陣取り、株価の操作、帳簿タイルの組み合わせ、カードをプロットする順番など、考えることが盛りだくさんなので、遊ぶ人を選ぶ。
コードネーム
ピクチャーズ、デュエット、ディズニー、マーベル、ハリーポッター、シンプソンズと、数多くのシリーズが出ているチーム戦のゲーム。
スパイマスターは場に並んでいるカードの共通点と当てはまる枚数を言い、仲間のエージェントに当ててもらう。ただし、相手のカードを選んでしまうと相手チームの得点になるし、暗殺者を選んでしまうと即座にゲームに負けてしまう。
上手いヒントが見つかったとき、スパイマスターの意図がしっかり読み取れたときが、とても気持ちいい。
グランドオーストリアホテル
ホテルの支配人として、さまざまなスタッフを雇い、お客を部屋に案内して、名声を集めていくゲーム。
共通のダイスを順番に取っていくことでアクションを行うダイスドラフト形式。メインアクションはダイス目に割り振られた6種類のアクションだが、それ以外にいくつかのフリーアクションもある。
できることがいろいろあるため、どうしても長考しがちになってしまう。また、アクションの順番がいわゆるカタン方式(ABCDDCBA)なので、4人で遊ぶと相当なダウンタイムが発生する。
何度も遊んでいるが2人で遊ぶのがオススメ。
タイムストーリーズ
ネタバレ要素がある協力ゲーム。
プレイヤーはタイムトラベルを行い、過去や未来の人物の中に入り込んで、謎を解いたり、問題を解決したりする。
拡張によって世界観ばかりかゲーム性まで変わってしまうため、1作目を気に入った人が次を遊ぼうとすると「え???」となってしまう可能性大。
ネタバレ要素はあるが、コンポーネントを破損するわけではないので何度でも繰り返し遊ぶことはできる。
ポーションエクスプロージョン
カラフルなビー玉が印象的な2~4人用ゲーム。
素材であるビー玉を集めて、さまざまな魔法の薬を完成させていく。ビー玉を取ったときに、同じ色同士がぶつかると連鎖してその玉も取れるようになる。これが落ちものパズルのようで楽しい。
完成させた薬は特殊効果をもつため、能力を重視するか、得点を重視するかで選ぶべき薬が変わってくる。
ブルームサービス
魔法使いとして薬を送り届ける2~5人用ゲーム。2015年のドイツ年間ボードゲーム大賞のエキスパートゲーム大賞に選ばれている。
構成が同じカードの中から、そのラウンドで使用するカードを選ぶ。手番でカードを出すのだが、そのとき「勇敢な」「臆病」のどちらかを宣言する。
臆病だとすぐにアクションが実行できるが、勇敢だとバッティングしてしまうとアクションができない。ただし、その分、効果も強力。
「魔法にかかったみたい」というカードゲームのリメイクが「ブルームサービス」で、さらに「ブルームサービス:カードゲーム」が発売されるというめずらしいパターンのゲーム。