「ドーン歩き」といったボードゲーム用語もあるリュディガー・ドーン(Rüdiger Dorn)の特集です。手軽な2人用ゲームから、じっくり遊べるもの、ギャンブル要素があるものまで、さまざまなゲームを手がけています。
ドーン歩きとは、チップを使った移動方法のことです。たとえば、初めに4つのチップがある場合、隣接するマスに移動するたび、1つ1つ数が減っていきます。そうしてチップがなくなるまで一筆書きで移動することができます。
ゴア(2004年)
リュディガー・ドーンの代表作の1つです。2004年発売のゲームですが、2012年に新版が出ています。新版では新たなタイルが加わっています。
まず、ボード上に旗マーカーを置いて競りを行います。競りは一巡で、誰も買い手がいなければ競りに出した人が買い取ります。次に6種類あるアクションを行っていきます。
アクションは個人ボード上で行うため、妨害要素がありません。そのため、他のプレイヤーに邪魔されずに、自分の好きな方針で進めていくことができます。
得点を取る手段がいろいろあるため、さまざまな方法を試したくなります。
ルイ14世(2005年)
2005年発売のゲームですが、2017年にマフィオズーとしてリメイクされました。ルールはほとんど同じなのですが、テーマやアートワークが一新されているため、見た目はほぼ別のゲームです。
タイルを格子状に配置して、ゲームボードとして扱います。タイルがないところにはチップやコマが置かれます。手番ではカードをプレイして、その絵が描かれたところにコマを配置します。またはカードを捨てて、コマを回収します。
全員がアクションを行ったならば、それぞれのタイルでマジョリティを比べ、1位の人がお金やチップ、カードがもらえます。
マフィオズーではタイルを並べるのではなく、ゲームボードがあるため、プレイしやすくなっています。
ドラゴンハート(2010年)
2人用のカードゲームで、BGA(Board Game Arena)で遊ぶことができます。
それぞれが同じ構成の50枚の山札を持っています。そこから手札として5枚引き、1枚または同時出しでボードに置いていきます。ボードのマスごとにルールが決まっており、条件を満たすことでカードが獲得できます。
テキスト効果などはなく、カードには数字とイラストしか描かれていません。ボード上に何を何枚置くと何が取れるのかが書かれているため、複雑な処理などは特にありません。
相手の状況を見ながら駆け引きができるお手軽な2人用ゲームです。
ベガス(2012年)
2~5人用のダイスを使ったバッティングゲームです。
各自が8個ずつダイスを持っており、まず一斉にそれらをすべて振ります。手番ではその中の1つの目を選び、対応するカジノに置きます。選んだ目のダイスをすべて置かなければならず、一部だけを置くことはできません。
これを順番に繰り返していき、それぞれのカジノでもっとも多くのダイスを置いたプレイヤーからお金を獲得していきます。ただし、ダイスの数が他のプレイヤーと同じ場合、お金を得る権利がなくなってしまいます。
ダイスの目で一喜一憂できるギャンブル系のゲームです。
イスタンブール(2014年)
作者を代表するゲームの1つで、2014年ドイツ年間ボードゲーム大賞エキスパート部門賞を受賞しています。
「コーヒーとお恵みを」「書簡と証印」という2つの拡張セットが出ており、さらに基本を加えたイスタンブール Big Boxもあります。また、派生としてイスタンブール:ダイスゲームもあります。
タイルを組み合わせて作ったマップ上を移動しながら、4種類の商品と宝石を集めていきます。投獄された親族という謎の設定があり、ゲーム中に脱獄したり、また捕まったりします。
助手コマを使った移動方法にドーン歩きっぽさが感じられます。
カルバ(2015年)
ジャングルを探検するタイル配置ゲームです。
1人がタイルをめくり、全員がそれと同じタイルを個人ボードに配置します。またはタイルを配置せずに捨てることで探検家を進めることができます。探検家を進めると水晶や金塊といったお宝を獲得できます。
探検家は4色あり、それぞれゴールが決まっています。探検家が全員ゴールまでたどり着くか、すべてのタイルをめくるとゲーム終了です。
全員が同じボードを使い、同じタイルを配置していくのですが、それぞれが違った盤面になっていきます。
ゴールに着いた順位によってもらえる得点が変わってくるため、他のプレイヤーの状況もよく見ておかなければなりません。
ルクソール(2018年)
ピラミッドを探索して、最奥にあるファラオの墓を目指す2~4人用のゲームです。
手札をプレイしてコマを進めていくのですが、手札の順番を変えてはいけないのが特徴です。プレイする際は右端か左端のカードを使い、補充する際は中央に入れます。
各自が最大5個までコマを持てるのですが、最奥まで行けるのは2つだけです。2つがゴールするとそのラウンドでゲーム終了です。
ゴールすることが終了条件なのですが、だからといって勝利するとは限りません。さまざまな得点方法があるため、どれがもっとも効率がいいか考えつつ、コマを進めていく必要があります。
ルーンストーン(2019年)
デッキ構築要素がある2~4人用のゲームです。
手番では、クリーチャーの召喚、能力の使用、アーティファクトの作成のいずれかを行います。能力の使用方法が変わっており、手札から2枚を出し、両方の効果を発動させたら、数字が大きい方のカードは破棄されます。
一般的なデッキ構築だとゲームが進むにつれてデッキ枚数が増えていくことが多いですが、ルーンストーンの場合、能力を使い続けるとどんどんデッキが縮小していきます。
カードの種類は多いですが、テキスト効果がないので、だいぶシンプルです。